70歳以上のレセプトの特記事項の記載
2018年8月から高額療養費制度に改定がありました。それに伴って8月診療分(9月請求分)からのレセプトの記載要領も改定されました。
8月からの改定は70歳以上の一般(1、2割)の方の上限の引き上げ(14,000円から18,000円)と現役並(3割)の方の新たな区分の追加と上限の引き上げです。
*厚労省のpdfより抜粋
◯窓口での対応
70歳以上の低所得者の場合は従来通りです。「限度額適用・標準負担額減額認定証」をお持ちかどうかを確認します。低所得者の場合、適用区分Ⅰまたは適用区分Ⅱと記載された認定証をお持ちです。
7月までは現役並み世帯(3割負担)の患者さんは「限度額適用・標準負担額減額認定証」をお持ちになる方はいなかったのですが、8月からはお持ちの方がいます。
現役並みの場合、適用区分が、現役Ⅰと現役Ⅱの認定証をお持ちの場合がありますので、認定証を持っているかどうかを窓口で確認してください。
ちなみに
現役Ⅰは標準報酬月額が28万から50万の世帯で
現役Ⅱは標準報酬月額が53万から79万の世帯です。
◯レセプトの記載
8月診療分のレセプトからは、70歳以上の場合、所得区分に応じて特記事項に26区ア〜30区オを記載することとなりました。
従来も「上位」「一般」「低所」と記載する必要がありましたが、これは高額療養費に該当する場合だけだったのですが、今回は、基本的に該当しなくても記載する必要があります。
(*東京都などは、経過処置的だと思われますが高額療養費に該当しない場合は記載しなくても返戻はしないとしていますが、いつまでその状態なのかは明確ではありません。)
26区ア
現役並み(3割負担)で限度額適用・標準負担額減額認定証を提示しない場合
27区イ
現役並み(3割負担)で「現役Ⅱ」の限度額適用・標準負担額減額認定証を提示された場合
28区ウ
現役並み(3割負担)で「現役Ⅰ」の限度額適用・標準負担額減額認定証を提示された場合
29区エ
一般(1割2割負担)で限度額適用・標準負担額減額認定証を提示しない場合
30区オ
一般(1割2割負担)で「Ⅰ」又は「Ⅱ」の限度額適用・標準負担額減額認定証を提示された場合
このように、限度額適用・標準負担額減額認定証を提示されない場合も「26区ア」または「27区エ」の記載が必要となりますので、注意が必要です。
◯カルテメーカーの入力方法
制度は変更になりましたが、従来の低所得の時と入力方法は変わりません。現役並み世帯のために所得区分のプルダウンメニューに「現Ⅰ」「現Ⅱ」等の選択肢を増やしてありますので、限度額適用・標準負担額減額認定証の区分にしたがって設定してください。
でも良い機会ですので、改めて入力方法と注意点を解説していきます。
次のような時に入力の必要があります。
- 新たに限度額適用・標準負担額減額認定証を提示された時
- 区分が変更になった時
- 限度額適用・標準負担額減額認定証を返還した時
・新しい空白の保険証が表示されます。「旧保険証をコピー」ボタンを押して直前の保険証の情報をコピーします。
・「所得区分」のプルダウンメニューを押して新しい所得区分を設定します。
「限度額適用・標準負担額減額認定証」の適用区分の欄に記載された区分と同じものをそのまま選択してください。特記事項へ記載される区分は自動的に計算されます。
ちなみに「限度額適用・標準負担額減額認定証」以外にも、
「特定医療費受給者証」
「特定疾患医療受給者証」
を提示された場合は、その証の適用区分に書かれた区分と同じものを選んでください。
この区分には
ア、イ、ウ、エ、オ
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ
現役Ⅰ、現役Ⅱ
というのが現在存在していますので、この区分をプルダウンメニューからそのまま選択してください。なお、ア、イ、ウ、エ、オは70歳未満の区分で、ローマ数字のものは70歳以上の区分です。
例)「限度額適用・標準負担額減額認定証」の適用区分が「区分現役Ⅱ」だった場合。
(紛らわしくて、申し訳ないのですが「限度額適用」のチェックボックスは今回の所得区分とは一切関係がありません。この限度額適用は県市町村単位の公費でそういう区分が存在する公費用のものです。)
・保険証の「更新日」を提示された月初の1日とします。
・入力が終わったら右上のOKボタンを押して保存します。
*特にこの更新日には注意してください。
高額療養費は患者さんが限度額適用・標準負担額減額認定証を提示した月から適用されますので、8月中に提示された場合、8月1日から有効になります。
1日から提示された日までに高額療養費に該当している場合は、その日の会計に「調整額」として返金が表示されますので、それを必ず返金してください。
しかし、絶対に提示された月より前には設定しないでください(返戻があった場合は例外です。)限度額適用・標準負担額減額認定証の有効期限が仮に4月1日であったとしても8月に提示された場合は、8月1日にします。
4月から8月のまでの間に高額療養費の該当した場合、4月にするとその間の返金額が会計に反映されてしまいますが、提出済みのレセプトは通常は返戻されませんので返金した額が不足してしまいます。
このような場合は、患者さんは償還払いで保険者から直接返金してもらいます。
患者さんには償還払い制度を説明して、患者さんが保険者より直接返金をしてもらうように手続きするように説明してください。
限度額適用・標準負担額減額認定証は通常前年の所得額に応じて区分が変わり、それは8月1日付けで変更になります。8月は特に気をつけて保険証を確認してください。
なお、区分が変わっていて請求後に高額療養費に該当しないことが判明した場合には返戻になる可能性があります。この場合は、更新日を修正して当該限度額適用・標準負担額減額認定証が有効/変更/無効になった日付にしてから返戻の再発行と再請求を行い、一部負担金の不足分を患者さんから追加徴収するようにしてください。
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