医療DX加算改定に伴う設定について
2024年10月から医療DX加算(医療DX推進体制整備加算)が改定されます。かねてより10月からは医療DX加算の算定要件にマイナ保険証の利用率が一定基準をクリアしていることが加わることになっていましたが、それが実施されることになります。
当初は単純に基準値だけが公表されるものだと思っていたのですが、利用率に応じて3段階の医療DX加算が設けられることになりました。
従来の医療DX加算は医療DX加算3(6点)となり、利用率が上がるに従って、医療DX加算2(8点)、医療DX加算1(9点)と加算点数も上がってきます。(それにしても医科と導入するシステムも規模もほぼ同じなのに、なぜ2点も点数が低いのかは納得できないところですけど)
医療DX加算の改定概要
10月の医療DX加算はマイナ利用率が5%以上でなければいけません。最低のクラスは医療DX加算3(6点)です。マイナ利用率が10%以上で医療DX加算2(8点)、15%以上で医療DX加算1(9点)となります。
この基準は令和7年1月からは上がって、それぞれが、10%、20%、30%になります。4月以降はさらの変更が予定されています。
厚労省PDFより抜粋
どの医療DX加算を算定するかは過去のマイナ保険証の利用率の実績に応じて毎月変わります。
算定する月の3ヶ月前とその前月、前々月のレセプト件数ベース利用率の最高値を実績値として使います。この実績値を上記の表に当てはめて算定する加算を決定します。
10月診療分であれば、7月、6月、5月の中の最高値が実績値となります。
レセプト件数ベース利用率は「マイナ保険証の利用者数の合計 ÷ レセプト枚数」で求めます。レセプト枚数が確定するのに3ヶ月かかるための3ヶ月前のデータを使うことになりました。
特例として1月の診療月までは、オンライン資格確認件数ベース利用率(マイナ保険証の利用件数 ÷ オンライン資格確認等システムの利用件数)も利用できます。こちらは2ヶ月で確定することから、算定する月の2ヶ月前とその前月、前々月のデータの最高値が実績値となります。レセプト件数ベース利用率と比較して高い方を実績値とします。
厚労省PDFより抜粋
医療DX加算は3種類に別れて毎月変化しますが、これに伴う施設基準の再届出の必要はありません。基準を下回る等の状態になって基準を満たせなくなった場合は加算の算定はできません。
今回の医療DX加算の改定の詳細は厚労省の以下のPDFをお読みください。
医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて厚労省
マイナ保険証利用率情報の取得方法
算定の基礎となる利用率の算出は自分で行うのではなく、支払基金と国保連合会が運営する「医療機関等向け総合ポータルサイト」からの提供される数値を使います。
情報の入手は2つの方法のどちらかになります。
1、総合ポータルサイト(from@mail.iryohokenjyoho-portalsite.jp)から毎月送られてくる電子メール
2、医療機関等向け総合ポータルサイトのユーザープロファイルページ
内容的にはどちらも同じです。
総合ポータルサイトからのメール
送られてくるメールはこのようなものです。25日付ですでに受け取ってる先生も多いかと思います。
この文面の後に、過去の月毎の利用率が書いてあるのですが、注目すべき点は赤で囲った部分で、10月に適用する利用率がそのまま記載されています。この実績値から算定する医療DX加算を直接選べばよいわけです。私の場合は10月は18%ですので、医療DX加算1で算定することになります。
医療機関等向け総合ポータルサイトのユーザープロファイルページ
メールが届かない、誤って削除してしまった等の場合は、医療機関等向け総合ポータルサイトのユーザープロファイルページから同じ情報を確認できます。
上のリンクから、サイトに飛んでご自身のアカウントでログインしてください。
ログイン後、右上隅の自分の名前(アカウント名)のところをクリックするとメニューがでてきますので、「プロファイル」を選びます。
ユーザープロファイルページになります。下にスクロールしていくと「マイナ保険証の利用状況のお知らせ」というセクションがあります。ここにメールと同じ内容が表示されています。
さらに下にスクロールしていくと、メールと同じように10月に適用する利用率がそのまま記載されています。メールと同様にこの実績値を使って医療 DX加算の種類を決定します。
カルテメーカーへの設定方法
以上のようにして調べた実績値をカルテメーカーに設定します。操作方法は次のとおりです。
サーバーで
Macの場合:
「カルテメーカー」メニュー → 「環境設定」
Winの場合:
「ファイル」メニュー → 「設定」
で、設定画面を開きます。
上のタブの「医療DX」を選んで医療DXページにします。
右のリストの「医療DX算定区分」の設定する月(今回の例では2024年の10月)のMAXのセルをゆっくりと2回クリックするとカーソルが中に入ります。
カーソルをいれたら、上記で調べた実績値(今回の例では18)を入力します。
数値をいれるとDXの欄にそれに対応した医療DX加算の区分が表示されます。
これが表示されるのを確認して、右下の「OK」ボタンを押して設定を保存します。
保存したらカルテメーカー全体を再起動してください。クライアントは接続すると更新されます。
正しく設定されていれば、初診を起こすと設定された区分の医療DX加算が自動的に入力されます。
月末25日ごろに翌月用の実績値が送られてきます。
送られてきたら設定画面を開き、医療DXページにしたら「月を追加」ボタンを押して月を追加します。
上記と同じようにMAXの欄に、送られてきた実績値を入力します。
あとも同様に、区分を確認し、OKボタンで保存して、全体に再起動です。
以後、毎月、これを繰り返します。
左の「実績」リストは、毎月の実績を記録するためのものです。
実はこの機能を作る時点では、メールあるいはポータルサイトで最高値を表示するということを聞いていませんでした。なので、毎月の実績をいれて、それをもとに最高値を算出して右の区分のところに反映させようとして作ったものです。
月毎の実績を入れたのち「反映→」ボタンを押すと、指定された範囲の実績から最高値を算出して右のリストのMAXとDXの値を自動的に設定します。
この方法は、最高値を提供してくれる現状では不要な処理です。やらなくてもまったく問題ありません。
以上
歯科電子カルテシステム・カルテメーカー は利用料月額16,500円(税込)
MacとWinの両方で利用可能な電子カルテです。介護保険にも対応してます。
カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。