オンライン資格確認端末でレセプトのオンライン請求ができるうようになったことで、より簡単にレセプトのオンライン請求ができるようになりました。一方、オンライン請求をした場合、原則、返戻処理もオンラインで行うことになります。
カルテメーカーは、請求も返戻処理も対応していますが、オンライン請求用端末とカルテメーカーの間に直接的な連携機能がないため、特に返戻ファイルの取り扱い等が少々面倒でした。今回のアップデートではオンライン請求用端末(オンライン資格確認端末を請求用端末として利用することを前提としてます。)と連携することでより効率的に業務を行えるように改善しました。
「設定編」ではこの機能を利用するにあたっての事前の設定作業を解説していきます。操作方法は「操作編」をご覧ください。
オンライン資格確認端末にファイル交換用の共有フォルダを作る
オンライン資格確認端末とカルテメーカーは専用の共有フォルダを介して接続します。カルテメーカーで作成する請求用ファイル(.UKEファイル)は作成時にオンライン資格確認端末の専用の共有フォルダに書き込まれます。送信する時はその共有フォルダにある.UKEファイルを選択して送信します。
オンライン請求端末(オン資格端末)で、ダウンロードされた返戻ファイル(.HEN、.SAH)は、同じく返戻用の共有ファイルにダウンロードされるようにしておき、カルテメーカーはその返戻ファイルを自動的に読み込むようになります。
請求用ファイルを入れるフォルダ(以下請求用フォルダ)と、返戻用ファイルを入れるフォルダは通常は同一のフォルダですが、別のフォルダにすることもできます。別の場合は、2つの共有フォルダを作ることになります。
以下の操作はオンライン資格確認端末用PCで行います。
請求用フォルダの場所はどこでも大丈夫ですが、管理しやすいようにオン資格用のres,req,faceフォルダと同じところに作成します。
C:¥OQSフォルダの中に「電子レセプト」フォルダ(C:¥OQS¥電子レセプト)を新しく作成してください。名前は「電子レセプト」でなくても構いませんが、この記事では「電子レセプト」に統一します。
請求用フォルダ(電子レセプトフォルダ)の共有設定をします。
「電子レセプト」フォルダを右クリックして「プロパティ」を選びます。
この時、電子レセプトフォルダが反転されて確実に選択状態であることを確認してください。選択状態でないと一つ上のOQSフォルダのプロパティになってしまいます。
「共有」タブをクリック
フォルダ名が「電子レセプト」であることを確認してください。「OQS」になっていたら、一度閉じて電子レセプトを選択しなおしてから右クリック→プロパティです。
「OqsComApp」を確認
このリストは、この「電子レセプト」フォルダを共有することを許可されたアカウントのリストです。このリストに中に「OqsComApp」があって、アクセス許可レベルが「読み取り/書き込み」または「所有者」となってることを確認してください。
「共有」をクリック
ネットワークアクセス画面が開く
フォルダアイコンの電子レセプトの下に表示された¥¥で始まる「¥¥xxxxxxxx¥電子レセプト」というのがネットワークパスです。これをメモしておきます。このネットワークパスは一種のアドレスで、これでカルテメーカーからこの共有フォルダを指定してアクセスすることになります。
ちなみにxxxxxxxx部分は、オンライン資格確認用端末のコンピュータ名(PC名)です。
メモしたら「終了」をクリック
プロパティ画面を閉じる
必ず「閉じる」ボタンを押して閉じてください。
これで共有設定は終わりです。
オンライン請求アプリ(ブラウザ)の設定変更(デフォルトダウンロードフォルダの変更)
返戻ファイルのダウンロードはwebアプリの「ダウンロード」ボタンを押すのですが、ボタンの右クリックができないので、常にWinのデフォルトのダウンロードフォルダにダウンロードされてしまいます。
Winデフォルトのダウンロードフォルダを返戻用として共有設定してもいいのですが、セキュリティ的に不安があるので、ダウンロード先のフォルダを変更して、上記で作った「電子レセプト」フォルダをデフォルトのダウンロードフォルダに変更します。これで「ダウンロード」ボタンを押すと「電子レセプト」フォルダに返戻ファイルがダウンロードされるようになります。
設定方法はIEとEdgeで違いますので、インストールしたオンライン請求アプリで使ってるブラウザを確認して以下の操作をしてください。
IEの場合
IEを起動して
右上のツール(設定)アイコンをクリックし、
「ダウンロードの表示」を選択します。
「規定のダウンロードフォルダ」の「参照」ボタンを押して、上記の「c:¥OQS¥電子レセプト」フォルダを選択します。
OKで閉じる
IEを閉じて終了します。
Edgeの場合
Edgeを起動して
右上のダウンロードアイコン(↓)をクリックします。
右上のその他のオプション(...)をクリックします。
「場所」の「変更」ボタンを押して、上記の「c:¥OQS¥電子レセプト」フォルダを選択
設定ページを閉じ
Edgeを閉じて終了します。
カルテメーカーのサーバーの設定
カルテメーカーのサーバーを起動します。
カルテメーカー(ファイル)メニューから「環境設定(設定)」を選択。
「オン請求」ページに切り替えて
「オンライン請求連携」の「稼働」にチェックをつけます。
OKで設定を保存
カルテメーカー全体を再起動、接続し、設定を全端末で有効化します。
カルテメーカーの請求業務用端末の選択
レセプト請求業務をする端末は、サーバーでもクライアントでも構いません。ただし、その端末PCからオンライン資格確認端末PCの共有フォルダを共有できる必要があります。NTTのスタートパックを導入した以外の医院では基本どの端末でもOKです。
*NTTのスタートパックを導入した場合
基本的な設定状態では、オン資格の実行マシン以外ではオンライン資格確認端末PCと通信できないので、実行マシンをレセプト請求業務用の端末にする必要があります。
なお、請求、返戻ファイルの交換だけ実行マシンでおこない、業務それ自体は他の端末で作業をすることは可能です。
実行マシン以外の端末でァイルの交換も含めて全ての業務を行いたい場合は、その端末に固定ルート(スタティックルーティング)を設定する必要があります。ルートの追加方法は、こちらのページを参考にしてください。
NTTスタートパック導入時のカルテメーカーの設定方法
カルテメーカーの請求処理用端末で共有の確認
上記で決定した端末で操作します。
カルテメーカー側からの共有の設定と確認はwinとMacで違います。
Winの場合
タスクバー の検索ボックスにネットワークパスをいれる
タスクバー の検索ボックスにネットワークパスを入れていきます。「¥¥xxxxxxxx」といれていくと¥の前までのコンピュータ名あるいはIPアドレスを全部いれると右側にコンピュータのアイコンが表示されます。
□ネットワークパス
共有フォルダを作成した時に確認したネットワークパス(「¥¥xxxxxxxx¥電子レセプト」)を確認してください。ネットワークパスはオン資格用端末PCのIPアドレスでもOKです。例えばIPアドレスが「192.168.1.83」であれば「¥¥192.168.1.83¥電子レセプト」がネットワークパスになります。
「¥¥xxxxxxxx¥電子レセプト」までいれるとアイコンは消えますが、「開く」コマンドが表示されるので、「開く」をクリックします。
最後まで入れなくても、入力途中で左側に「¥¥xxxxxxxx¥電子レセプト」がリストアップされてきたら、それをダブルクリックしてもいいです。
アカウントとパスワードをいれる
実行マシンで操作するとすぐに電子レセプトのフォルダが開くと思いますが、それ以外のPCの場合は、共有フォルダにアクセスするアカウントを指定する画面が開きます。上記で確認した「OqsComApp」アカウントを指定します。
アカウント名(上の欄)には「OqsComApp」
パスワードはOqsComAppのパスワードです。オンライン資格確認端末起動時に入れるパスワードです。
「資格情報を記憶する」はチェックしておきます。
「OK」を押します。
フォルダが開く
アカウントの設定が正しければフォルダが表示されます
ショートカットを作る
次回以降、簡単に開けるようにショートカットを作っておきます。
アドレスバーのアイコンをデスクトップにドラッグ&ドロップするとショートカットができます。
一旦エクスプローラーを閉じて、作成したショートカットでフォルダが開くことを確認してください。
Macの場合
「サーバーへ接続」を使う
Finderを開き、「移動」メニューから「サーバーへ接続...」を選びます。
ネットワークパスを入力
Win用のネットワークパスのサーバー部分をMac用に変更して入力します。先頭の「¥¥」を「smb://」に途中の「¥」以下は入力しません。
¥¥xxxxxxxx¥電子レセプト→smb://xxxxxxxx
¥¥192.168.1.83¥電子レセプト→smb://192.168.1.83
「接続」ボタンを押します。
*全角のフォルダ名を入力できないためです。
接続確認ダイアログが表示される。
「接続」を選んでください。
このダイアログは表示されない場合もあります。
アカウントとパスワードをいれる
実行マシンで操作するとすぐに電子レセプトのフォルダが開くと思いますが、それ以外のPCの場合は、共有フォルダにアクセスするアカウントを指定する画面が開きます。上記で確認した「OqsComApp」アカウントを指定します。
「ユーザーの種類」は「登録ユーザ」
「名前」は「OqsComApp」
「パスワード」はOqsComAppのパスワードです。
「このパスワードをキーチェーンに保存」はチェックしておきます。
「接続」を押します。
アカウントの設定が正しければ、共有可能なフォルダの一覧がでるので「電子レセプト」を選択します。
フォルダ(ボリューム)が開く
「電子レセプト」フォルダ(ボリューム)が表示されます
Macでは共有フォルダはHDと同じボリューム扱いです。
エイリアスを作る。
次回以降、簡単に開けるようにエイリアスを作っておきます。
「電子レセプト」フォルダ(ボリューム)をデスクトップにoptionキー+⌘キー+ドラッグしてエイリアスを作ります。
一旦「電子レセプト」フォルダ(ボリューム)を取り出して、作成したエイリアスでボリュームをマウントできることを確認してください。
Mac起動時に自動的にマウントさせる
「アップル」メニュー → システム環境設定 → 「ユーザーとグループ」と開きます。
上のタブで「ログイン項目」を選びます。
「+」ボタンを押します。
ファイル選択ダイアログが開くので、オンライン資格確認PCを選び、表示された「電子レセプト」ボリュームを選択して「追加」ボタンを押します。
リストに「電子レセプト」ボリュームが表示されていればOKです。
コンピュータを再起動して「電子レセプト」ボリュームのウインドウが開けばOKです。
請求処理用端末のカルテメーカーの設定
上記で決定した端末で操作します。
カルテメーカー(ファイル)メニューから「環境設定(設定)」を選択します。
「連携フォルダ」の「電レセ」には
Winの場合はネットワークパスを入れます。「¥¥PCname¥電子レセプト¥、¥¥192.158.1.83¥電子レセプト¥等」(¥を最後に入れます)
「返戻」は「電レセ」と同じにします。
Macの場合はボリューム名を入れます。「電子レセプト:」(:を最後に入れます)
以上で設定は終了です。
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カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。