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2024年6月11日 (火)

訪問診療でのオンライン資格確認方法(居宅同意取得型)

カルテメーカーは訪問診療でのオンライン資格確認(居宅同意取得型)に対応しました。

訪問診療でのオンライン資格確認は、通常のオンライン資格確認と違ってあまり広報されていないので、まずはどのようなものかを解説していきます。

 

訪問診療でのオンライン資格確認(居宅同意取得型)とは

訪問診療でのオンライン資格確認では、顔認証端末を患家や施設に持っていくことは不可能なので、マイナンバーカードは使えず保険証による資格確認しかできませんでした。このため、保険証が資格を失っている場合は、最新の資格情報を得ることはできませんし、診療・手術・薬剤情報などの医療情報や特定健診情報を取得することもできませんでした。

そこで開発されたのが「居宅同意取得型のオンライン資格確認」です。顔認証端末の代わりにスマホでマイナンバーカードを読み取り、資格情報の確認と各種情報取得の同意を得る方法です。

顔認証端末の代わりにスマホを使うのですが、顔認証端末と違ってその場で資格情報が表示されるわけではありません。資格情報を取得するための同意と各種医療情報を取得するための同意を確認するだけです。

資格情報や医療情報の取得は、医院に帰ってからオンライン資格端末あるいは連携したレセコン、電子カルテを使って行います。

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マイナンバーカードを使うので最新の資格情報や、医療薬剤、健診情報を取得できますが、この確認操作を毎回、訪問時に行うのは限られた時間で治療する訪問診療では現実的ではありません。そこで、このスマホでの確認操作は初回だけとし以後一定期間(通常は3ヶ月)は同意を得たとして再度の同意操作は必要ない仕組みになっています。

同意を得た3ヶ月間の間は必要なタイミングで資格確認や医療、健診情報の取得が追加の同意なしに行うことができます。

同意を得ている間は、マイナンバーカードを預かっているような状態になると考えるとよいでしょう。

治療が終了した場合、期間の途中で同意を医院側から取り消すことができます。

 

前準備1:オンライン資格確認システムの設定

この居宅同意取得型のオンライン資格確認を利用するには事前準備が必要です。

最初にオンライン資格確認システムの設定を変更します。


オンライン資格確認システムに「管理者」でログインします。

ログインしたら「環境設定情報更新」を押します。

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一番下のほうの「訪問診療等機能」のプルダウンメニューを「利用する」にして、

更新」ボタンを押します。

この状態で一旦ログアウトします。

なお、利用を開始してから「利用しない」に変更するとそれまでに得られていた同意がすべて取り消されますのでご注意ください。

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前準備2:スマホの準備

次に訪問先で使うスマホのwebサービスを取得します。

webサービスですので、いわゆるスマホのアプリとは違ってアプリをストアからインストールするのでなく、webサービスのアドレス(URL)を取得し、それをブックマークするか、ショートカットを作成します。


オンライン資格確認システムに「管理者」でログインします。

最初のメニュー画面の項目が増えてると思いますので、一番下までスクロールしてください。

医療機関別URL取得・変更」を押します。

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webサービスのURLが表示されます。中央の二次元バーコードをスマホで読み取ってください。カメラアプリ等で読めます。

URLは医院独自のものになります。

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読み取ったURLをタップしてwebサービスを開きます。

このような画面(左端)がwebブラウザ(safari等)に表示されます。

iPhoneでしたら、図のようにタップしていき、このサービスのアイコンをホーム画面に登録します。

訪問先ではこのアイコンをタップして、このwebサービスの画面を開きます。

 

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前準備3:マイナポータルアプリのインストール(アップデート)

マイナンバーカードの読み取りと認証には「マイナポータル」アプリを利用しています。

忘れずに「マイナポータル」をインストールしてください。また最新バージョンでないと正しくマイナンバーカードを認識できない場合がありますので、アップデートも忘れずにしてください。

 

以上で事前準備は完了です。

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訪問先での操作

以上で準備が整いました。これからは訪問診療時の操作方法となります。


訪問先にはこの準備したスマホを持っていきます。訪問先ではマイナンバーカードを用意してもらいます。

スマホのホーム画面で、先ほど作ったアイコンをタップしてwebサービスを開きます。

一番下までスクロールすると「同意登録をする」というボタンがありますので、これをタップします。

 

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同意登録画面になります。少しスクロールすると「すべての項目に同意する」ボタンが表示されますので通常はこれを押して全部に同意します。

スクロールしていくと、個々の同意項目が表示されます。それぞれ別個に「同意する」「同意しない」を選択可能ですので、必要に応じてタップして同意の有無を確認していきます。

 

同意項目を確認しつつ最後までスクロールすると「同意内容を確認する」ボタンがありますので、これをタップして次に進めます。

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同意登録内容の確認の画面に変わります。

同意項目に間違いがないかスクロールしながら確認してください。

修正したい項目があった場合は「選択内容を修正する」をタップして、前の画面に戻り修正してください。

問題なければ「同意内容を登録する」をタップします。

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マイナポータルアプリに移行してパスワード入力画面になります。

パスワードを患者さん、あるいはご家族に入力してもらってください。

入力するとマイナンバーカード読み取り画面になりますので、指定された場所にマイナンバーカードをかざして「読み取り開始」をタップします。

 

*パスワードは3回間違えるとカードがロックしてしまいます。ご注意ください。

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カードの読み取りが開始されます。しばらくすると完了のチェックマークが表示されます。

Safari(webブラウザ)に戻ってください」と表示されたらタップして戻ります。

この画面が表示されたら完了です。後の操作は医院に帰ってからになります。

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医院に帰ってからの操作

治療が終わり医院帰ってきてからの資格確認の操作です。


医院に帰ってきたら、カルテメーカーを起動しパレットメニューから「訪問資格パレット」を開きます。

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左下の「資格取得」ボタンを押します。

資格取得処理が開始されます。15〜45秒ほど取得にはかかります。

 

訪問診療当日ではなく、後日にこの確認操作をする場合は資格取得ボタンの上の取得期間を変更してスマホで同意操作をした日を含めるようにしてください。

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取得に成功するとスマホで同意確認を行った患者さんがリストに表示されます。

表示されたら、その患者さんをクリックし詳細を表示させます。

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既存の患者さんで資格に問題がない場合

すでに保険証等で資格確認しており患者番号との紐付けが完了していて、資格に問題がない場合は、このように何もエラーが報告されず資格情報が表示されます。

訪問診療での資格確認の場合、同意内容が赤枠のように表示されます。

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既存の患者さんで資格に問題がある場合

すでに保険証等で資格確認しており患者番号との紐付けが完了しているけど、資格情報に問題がある場合は、このようにエラーの報告表示になります。この場合は、指定された「頭書」ボタンを押します。

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この訪問資格パレットの裏にカルテが表示されるとともに、資格確認の修正画面が表示されますので、あとは通常の資格確認と同様に指示されたボタンを操作して資格情報の更新を行なってください。

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既存の患者さんで、まだ紐付けされていない場合

紐付けされてない資格確認結果が返ってきて、既存の患者さんに該当する可能性のある方が存在した場合はこのような画面になります。

この場合、指示に従って「患者選択」ボタンを押します。

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この場合もカルテが背面に開き、資格確認の修正画面が表示されます。紐付けするように指示されますので、それに従って紐付け処理をします。

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新患の場合

紐付けされていない資格情報で、既存の患者さんでない場合は新患として登録します。

この場合、指示に従って「新患登録」ボタンを押します。

以後の流れはマイナンバーカードで新患が受診した時と同じような感じになります。

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患者番号の確認ダイアログが表示されますので、確認して「登録」ボタンです。

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新患のカルテが作成され表示されます。訪問確認パレットの背面にカルテ画面が開きますので、続けて頭書への追加入力等をする場合は訪問確認パレットを閉じるか移動するかしてください。

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2回目以降の訪問診療

2回目以降の訪問診療ではスマホでの同意確認は必要ありません。

医院に帰ってきてからのカルテ入力時には、自動的に来院時の資格確認が行われます。

居宅同意を得ている場合は、来院時の自動確認は「訪問診療モード」で行われます。

訪問診療モード」の場合、現状の資格が失われて新しい保険資格を得ている場合は、その新しい資格情報が得られます。その場合は、保険証が更新されているというエラーが表示されて資格情報の更新画面になりますので、それに従って保険証情報を更新します。

同意期間が終了した後は、通常モードでの資格確認になります。

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訪問診療時の頭書からの資格確認

居宅同意を得ている場合、頭書の「資格確認」ボタンを押して資格確認する場合のダイアログには「訪問診療」にチェックがつきます。

このチェックをつけて資格確認をすると「訪問診療モード」で資格確認が行われます。

居宅同意を得ていない場合で、このチェックを付けて資格確認をすると、たとえ正しい資格があったとしても「資格なし」の結果になります。

居宅同意を得ていて、このチェックを外して資格確認する場合は「通常モード」になりますので保険証で資格確認したのと同じ結果になります。

資格確認履歴を操作するなどして誤って過去の同意資格情報を削除してしまうと、居宅同意を得ているのに訪問診療のチェックが付かないということがあります。この場合は、訪問診療のチェックを付けて資格確認をしてください。正しい訪問診療での資格情報が得られれば以後はまた自動でこのチェックが付くようになります。

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医療情報の取得時

診療・手術・薬剤・健診情報を取得時にも「訪問診療」のチェックがあります。頭書からの資格確認と同様に居宅同意を得ている場合は、自動的にチェックがついて「訪問診療モード」で医療情報を取得します。

訪問診療モード」では、いつでも好きなタイミングで医療情報を取得できます。訪問の前にチェックしてから診療を開始するなどといった新しい活用法ができます。

居宅同意を得ていても、このチェックを外して取得をしようとすると同意なしとなりますので、同意を得ている場合はこのチェックをつけて情報の取得をしてください。

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同意の取り消し

一連の治療が終了し訪問しなくなった場合は、居宅同意を取り消します。

頭書を開き、資格確認ボタンの上の方の「取消」ボタンを押します。

このダイアログが開きますので、確認して「同意取消」ボタンを押すと同意の取消処理が行われます。

同意を取り消すと訪問モードでの資格確認、医療情報の取得ができなくなります。

取消後に再び訪問診療を行う場合は、もう一度訪問先でマイナンバーカードで同意を取得してください。

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以上

 

 


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MacとWinの両方で利用可能な電子カルテです。介護保険にも対応してます。

カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。

 

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