ロジテック製オン資格機能プレインストールPCのセットアップ方法(その1)
ロジテックが販売しているオンライン資格確認端末対応の専用モデル 「LB-JB18/M」のセットアップ方法を解説していきます。
このPCには、オンライン資格確認に必要なアプリや設定が事前にインストール・設定されています。まっさらなPCでセットアップする場合、私のブログで解説したように非常に手間がかかりますが、このロジテックのPCでは、顔認証端末関係のアプリ・設定以外はすべて済んでいますので、大幅にその手間を省いてくれます。
とは言っても、設置すれば即運用開始というわけにはいきません。医院独自の設定を行わないと運用できません。製品には詳しいセットアップ手順書が付属しており、それ通りに進めれば完成するようにはなっているのですが、少々詳し過ぎて何をしなくてはいけないのかがわかりづらくなってます。
そこで、やらなければいけない事だけ抜粋してまとめてみました。なお、「OSマスタバージョンver3.50 第3版」を底本として解説していきます。また文中の「連載」はこのブログの連載「オンライン資格確認システムの導入方法」の該当ページになります。
次のような順序で残りの設定作業を進めます。
- 事前準備
- PCの設置
- IPアドレスの確認とIPv4の無効化
- 電子証明書のダウンロードとインストール
- 回線認証接続
- オンライン資格確認等システムにログイン
- アカウントの作成
- 顔認証機器の設置と設定
- 配信アプリケーションの動作確認
- 連携アプリケーションのための設定
- カルテメーカーの設定
1、事前準備
ロジテック説明書(p9): オンライン資格確認端末セットアップに向けた事前準備
このページのオンライン資格確認利用開始・変更申請、電子証明書発行申請を事前に済ませてください。この説明書には書いてないですが、オンライン資格確認の運用開始日入力も済ませておく必要があります。これらは医療機関等ポータルサイトから申請してください。また、大前提としてオンライン資格確認用の回線が必要ですので事前にご用意ください。詳細は連載の下記箇所を参考にしてください。
2、PCの設置
ロジテック説明書(p7): ネットワーク設定情報
説明書にあるようにLAN1のポートを使ってオンライン資格確認システムにつなげます。具体的には図のようにHGWのLAN側コネクターにケーブルを挿して、それをロジテックのPCのLAN1のコネクターに挿します。
連載のこちらの項目も参考にしてください。HGWの直下にロジテックのPCが位置するように接続します。
3、IPアドレスの確認とIPv4の無効化
カルテメーカーとの連携時に必要になるので、ここでこのPCのネットワークのIPアドレスを確認しておきます。
ロジテックのPCを起動したら、スタートから「設定」、「ネットワークとインターネット」をクリック
「接続プロパティの変更」をクリック
「ネットワーク」が表示されるので、一番下までスクロールして「IPv4アドレス」を確認してメモしておきます。
IPv4の無効化
ロジテックの初期設定ではIPv4はDHCPサーバーからの自動配布になってます。この設定の場合、IPv4のDNSサーバーが有効になるのですがインターネットへの接続がPPPoEのIPv4接続の場合、このIPv4のDNSサーバーからの応答のためオンライン資格確認システムへの接続が不安定になります。ですので、カルテメーカーとの連携の設定までの間は、一時的にIPv4を無効化しておきます。なお、インターネットへの接続がIPv6(IPoE)の場合は問題ないようですが、それでも一応無効化することをお勧めします。
ロジテックのPCにはイーサネットが2系統あります。無効化するのはケーブルが接続してありネットワークが繋がってる方です。「無効」と表示された方ではないのでご注意ください。
無効化の方法は
の1〜6までをしてIPv4のチェックを外し、あとはOKボタンを押しながら開いたウインドウを閉じていってください。
7以降は絶対にしないように!
無効化したら、上記のIPv4アドレスの確認をしてください。IPv4に関する情報(IPv4アドレス、IPv4 DNSサーバー等)が表示されなければ無効化されてます。表示された場合は、もう一度行ってください。多分違うイーサネットのほうを操作しています。確認してください。
4、電子証明書のダウンロードとインストール
ロジテック説明書(p17〜18): 証明局の電子証明書をインストールする
ロジテックの説明書では、オン資格の手順書からの抜粋として電子証明書のインストール方法が書いてありますが、電子証明書のダウンロード方法に関しては説明されていません。電子証明書のダウンロードに関しては私の連載で解説してますので、リンク先を参考にダウンロードを行ってください。
ダウンロード後は説明書・連載に従って電子証明書のインストールを行ってください。
5、回線認証接続
ロジテック説明書(p19): オンライン資格確認等システムに接続する
ロジテックの説明書の通りに、回線認証をおこなってください。説明書の「接続先 URL」のURLをクリックすると該当サイトにつながりますので、説明書の通りに認証をおこなってください。
回線認証接続はNTT側の工事や契約の変更等で再度必要な場合があります。それらのことは連載の方をご覧ください。
6、オンライン資格確認等システムにログイン
ロジテック説明書(p20〜21): オンライン資格確認等システムにログイン
オンライン資格確認等システムに「マスタアカウント」でログインします。方法はロジテックの説明書通りです。
この説明書には詳しく書いてないですが、このマスタアカウントのIDやパスワードは医療機関等ポータルサイトからダウンロードした「オンライン資格確認等システムユーザ設定情報(通知書)」に記載されています。ですので、事前にこの文書をダウンロードしておく必要があります。詳細は連載をご覧ください。
なお、説明書に記載はないですが、必ず「本番環境」(接続検証環境ではない方)のショートカットを使ってシステムにログインしてください。またマスタアカウントも「オンライン資格確認等システムユーザ設定情報(通知書)」の「本番環境」の登録情報を使ってください。
申請から時間が経ってるとログインと同時にパスワードの変更が求められる場合があります。そのような事も含めて連載でも解説してますので参考にしてください。
7、アカウントの作成
ロジテック説明書(p22〜23): アカウントを作成する
ロジテックの説明書では何をしていいのか意味不明だと思いますので簡単に解説します。
オンライン資格確認システムを使うには最低でも次の4つのアカウントが必要です。オンライン資格確認システムを使って、この4つのアカウントを追加するのがこの作業です。
- 管理アカウント
- 一般アカウント
- 連携アカウント
- 顔認証アカウント
これらのアカウントはマスタアカウントで管理アカウントを作成、次に管理アカウントで一般、連携、顔認証アカウントを作成するという順番があります。また、連携は「R0」顔認証は「F0」ではじまるユーザIDにしないといけないというルールがあります。これらの詳細や詳しい追加方法は連載を参考にしてください。
- 連載(その9):小目標27:アカウントを追加する
- 連載(その9):小目標28: 管理者アカウントを追加する
- 連載(その9):小目標29: 一般アカウントを追加する
- 連載(その9):小目標30: 連携アプリ用アカウントを追加する
- 連載(その9):小目標31: 顔認証用アカウントを追加する
ロジテックの説明書の「アカウント一括登録用ファイル生成ツール_1.00 版.xlsm」は、以下のページからダウンロードできます。エクセルのアプリで設定用のCSVファイルを作り(windows版のエクセル限定)、それをオンライン資格確認システムに読み込ませることで一度に全アカウントを生成します。慣れればこのツールの方が断然早いと思うのですが、個人で1回だけ設定する場合は、上記の方法で個別にやっても手間は同じかなって気がします。どちらでもお好きな方でアカウントの追加をしてください。
アカウント一括登録用ファイル生成ツール_1.00 版
8、顔認証機器の設置と設定
ロジテック説明書(p25〜26): 顔認証機器を設定する
ロジテックの説明書では大まかな流れしか記載されていませんので、必ず導入する顔認証用端末の説明書をみて設置と設定をしてください。
以下はパナソニックの顔認証用端末の解説になります。他社の製品の場合は....がんばってください😅
パナソニックの機器をセットアップするためのマニュアルやソフト類は、製品に付属したDVD-ROMに記録されていますが、ロジテックのPCにはDVDドライバがないので、PCの中にプレインストールしてあるマニュアルやソフトを使ってください。保存されている場所は、ロジテックの説明書にあるように以下のディレクトリになります。
C:¥Logitec INA Solutions¥FaceAppInstaller
設置
顔認証端末の組み立て等は「取扱説明書(準備編)」をご覧ください。もう少し詳しい解説は連載をご覧ください。
ロジテックのPCの場合、USB3.xのコネクタは背面のUSBコネクタになります。前面のコネクタはUSB2ですので、必ず背面のUSBに顔認証端末を接続してください
アプリケーションのインストールと設定
アプリケーションのインストールは「【XC-STFR1J-MN】取扱説明書_本体編.pdf」に従って操作します。【XC-STFR1J-MN】と【XC-STFR2J-MN】と2種類ありますが、パナソニックのDVDに記載された製品番号に一致した説明書を使ってください。
使うインストーラも「XC-STFR1J-MN」「XC-STFR2J-MN」の2つがありますので、製品番号に一致した方のインストーラーを使ってください。
「取扱説明書_本体編」の8p、「4.2 資格確認端末にアプリケーションソフトをインストール」から行います。そのページの操作に従ってください。
処理が進んで、p11の「ディスプレイ設定」は、指示通り行ってください。
p13の「ログインID登録」の一連の操作もします。「デバイス ID」は顔認証アカウントの「F0 」で始まる「ログイン名」のことです。
登録したら指示に従って再起動です。
p15からの「4.3 OS の設定確認」は設定済みですので、しなくていいです。
p18,19の「4.4 アプリケーションソフトの個別設定」で顔認証端末に表示される医院名を設定してください
上記の一連の操作が済めば、再起動で自動的に顔認証端末の管理画面が起動すると思います。正常に起動して「待機中」になったら、実際にマイナンバーカードでテストをしてみましょう。詳細は以下の連載をご覧ください。
9、配信アプリケーションの動作確認
ロジテック説明書(p27): 配信アプリケーションをインストールする
ロジテックの説明書では「配信アプリケーションをインストールする」となってますが、すでにインストール済みなので動作確認だけ行います。p27の手順書(抜粋)の操作だけを行えばOKです。「配信実績の確認」と「配信サーバーへの接続確認」の2つです。インストール済みですので回線さえしっかり接続されていれば、問題なく確認できるかと思います。
連載の以下のページも参考にしてください。
これでオンライン資格確認システムをスタンドアロンで運用できる状態になりました。続いて次の記事で、カルテメーカーとの連携方法を解説していきます。
歯科電子カルテシステム・カルテメーカー は利用料月額16,500円(税込)
MacとWinの両方で利用可能な電子カルテです。介護保険にも対応してます。
カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。
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