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2021年11月13日 (土)

オンライン資格確認システムの導入方法(その12)

 

目標4: 連携アプリケーションを導入し、レセコン・電子カルテとの連携をできるようにする。

連携アプリケーションは、オンライン資格確認等システムと電子カルテ(レセコン)の間で情報の受け渡しをするアプリケーションです。

オンライン資格確認等システムを人が使うには、「オンライン資格確認システムの導入方法(その9)」で説明したようにEdgeを使ったwebアプリケーションを使います。

人の代わりにコンピュータがオンライン資格確認等システムを利用するには「webAPI」という仕組みを使います。イメージ的にはコンピュータからオンライン資格確認等システムのサーバーにコマンドを送ると、それに対応した処理が行われ、結果が戻るような感じです。コンピュータからの利用を考えて、応用が効いて効率がよくプログラムしやすいように設計されています。「webAPI」を直接使う方法は、自由度が高いので独自のセキュリティを組み合わせたり、システム全体のパフォーマンスを最大限に引き出したりと特に大規模病院などでは歓迎される方法ですが、開発するには高度な技術が必要になりますので簡単に利用できるものではありません。

この方式だけでは普及の足枷になるのは明白ですので、多少の効率の悪さには目をつぶり、より簡単にオンライン資格確認等システムをコンピュータ(電子カルテ、レセコン)から利用できるようにしたのが、この連携アプリケーションです。効率が悪いとはいえ、認証処理(ログイン)から資格確認結果が戻るまで3秒程度、認証済み(ログイン済み)であれば1秒以内に結果が得られますので診療所レベルであれば全く問題ありません。webAPIを直接叩けばmS単位のレスポンスも得られるのでしょうけど、普通に使うのであればオーバースペックでしょう。

電子カルテ側からみた利用方法はwebAPIを直接使う方法に比較して大幅に簡略化されています。電子カルテから要求ファイルを資格確認端末に送ると連携アプリケーションが通信を開始し、結果ファイルを電子カルテに渡すというシンプルな方法です。もう少し詳しくいうと次のような手順になります。

1、電子カルテから、資格確認の問い合わせ内容を記録したXML形式ファイルをオンライン資格確認端末PCの指定フォルダ(通常は「C:¥OQS¥req」フォルダ)に書き込む。
2、連携アプリケーションは、reqフォルダにファイルがあるのを見つけると、そのファイルを取り込んで処理をはじめます。
3、連携アプリケーションはログインしていなければ認証処理(ログイン)を行います。
4、連携アプリケーションはファイルのXMLの文書をJSONオブジェクトに変換してオンライン資格確認等システムに資格確認の要求を出します。
5、連携アプリケーションはサーバーからの回答をまち、回答があれば結果を解析。エラーがなければ結果のJSONオブジェクトをXML文書形式に変換して結果ファイルを作成し、結果フォルダ(通常は「C:¥OQS¥res」フォルダ)に書き出します。
6、電子カルテはresフォルダを監視し、結果ファイルが書き込まれたら、それを取り込み処理をします。

このように簡略化されます。レスポンスも問題ないし優秀なアプリケーションです。

通常、電子カルテとオンライン資格確認端末は別のコンピュータです。電子カルテからオンライン資格確認端末へファイルを送る(あるいはその逆)には「ファイル共有(共有フォルダ)」機能を使います。また、オンライン資格確認等システムのログインするにはアカウント情報が必要になりますが、この情報は「資格情報マネージャー」という機能で設定します。この2つ設定が連携アプリケーションのセットアップでは特に注意すポイントとなります。

では前置きはこれくらいにしてセットアップをはじめましょう。

連携アプリケーションのセットアップにはマニュアル「連携アプリケーション導入手順書_1.08版」(以下「連携マニュアル」と略)に従って行います。

 


 

小目標39: 連携アプリケーションをインストールする

最初にアプリケーションのインストールです。連携マニュアルの「3.1 連携アプリケーションインストーラーの実行」(P.5〜9)に従って操作します。

ここでの注意ポイントは

ポイント OQSComApp.msiをダブルクリックする。

使うファイルはダウンロードした「(本番環境接続版)OQSComApp_1.0.13.zip」(バージョンは違うかもしれません)です。

ダウンロードしたzipファイルをダブルクリックして開くと「Setup」フォルダと「install.bat」ファイルが見えます。

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で、「Setup」フォルダをダブルクリックして開くと

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目的の「OQSComApp.msi」が見えてきます。この「OQSComApp.msi」をダブルクリックします。あとは連携マニュアルに従ってウィザードの指示通りに操作していきます。

確認

「OQSComApp セットアップ ウィザードが完了しました。」の表示が出て「完了」ボタンを押したら、「小目標39:連携アプリケーションをインストールする」はクリアです。

 


 

小目標40: 資格情報マネージャーの設定

連携マニュアルの流れでは次に「共有フォルダの設定」ですが、それは飛ばして次の「資格情報マネージャーの設定」を先にやります。資格情報マネージャーではオンライン資格確認等システムにログインするためのユーザーID、パスワード、医療機関番号を設定します。

連携アプリケーションには、「オンライン資格確認システムの導入方法(その9)」の「小目標30:連携アプリ用アカウントを追加する」で作成したユーザーIDが「R0」ではじまる「連携アプリ用アカウント」を設定します。

連携マニュアルの「4.1 資格情報マネージャーの設定」(P.14〜18)従って操作するのですが、ベンダー向けなので分かりづらい記述になってます。そのため以下に操作方法を書きましたのでこれに従って行ってください。

連携マニュアルには細々と色々書いてありますが、必要な資格情報は次の2つです。

1、OQS_LOGIN_KEY(連携アプリ用アカウントの ID、パスワード)
2、OQS_MEDICAL_INSTITUTION_CODE(医療機関コード)

連携マニュアルの「4 環境設定」の「4.1 資格情報マネージャーの設定」以外の項目は初期状態のままで問題ありませんので、設定するのはこの2つの資格情報だけとなります。


1、タスクバーの虫眼鏡アイコンをクリックし、検索ボックスに「資格」と入力すると、[資格情報マネージャー ] が表示されますので、それをクリックします。

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2、「Windows 資格情報」をクリックし、「汎用資格情報の追加」をクリックします。

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3、資格情報(連携アプリ用アカウント)をいれます。

  • インターネットまたはネットワークのアドレス」には、「OQS_LOGIN_KEY」と入力
  • ユーザ名」には、「R0」ではじまる「連携アプリ用アカウント」のユーザーIDを入力
  • パスワードには」には、「連携アプリ用アカウント」のパスワードを入力

「OK」ボタンを押して保存します。

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4、もう一度、同じように「汎用資格情報の追加」をクリックします。

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5、資格情報(医療機関コード)をいれます。

  • インターネットまたはネットワークのアドレス」には、「OQS_MEDICAL_INSTITUTION_CODE」と入力
  • ユーザ名」には、「OQS_Admin」と入力
  • パスワードには」には、10桁の医療機関コード(通常の7桁のコードの前に「県番号」と「3」を加えた番号 例 1331234567 )を入力

「OK」ボタンを押して保存します。

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6、2つの資格が登録されたことを確認します。

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確認

2つの資格が登録されたことを確認したら、「小目標40:資格情報マネージャーの設定」はクリアです。

 


 

小目標41: 連携アプリケーションの定期起動の設定

連携アプリケーションは常時起動しているわけではなく2秒に一度の頻度で起動します。起動後、reqフォルダの中にファイルがなければすぐに終了します。アイドリング状態の時に無用なリソースを使わないようになっているんですね。で、この2秒に一度、連携アプリケーションを起動させるためのタスク(OQS_exec_comappstart.xml)をタスクスケジューラに登録します。

また、連携アプリケーション以外に、resフォルダ、reqフォルダに不要なファイルが残ってそれから情報漏洩が発生しないように定期的にファイルを削除するアプリケーションもインストールされているのですが、そのアプリケーションを定期的に起動させるための2つのタスク(OQS_exec_comappdelfile_running.xml、OQS_exec_comappdelfile_periodic.xml)もタスクスケジューラに登録します。

タスクの登録は、連携マニュアルの「5. 連携アプリケーションの定期起動の設定」(P.32〜37)に従って操作します。

連携マニュアルの34ページの「③ インポートするタスクを選択し、[開く]ボタンをクリックする。」の説明画像のパスがおかしいので、正しいスクショを貼っておきます。WIndows(C: )→ Program Files→ OQS→ OQSComApp→ tools と開いていったところにあります。

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他はマニュアル通りの操作で登録できますので、よく読んで操作してください。

正しくインポートできれば、このように3つのタスクがライブラリーに表示されます。

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確認

3つのタスクが登録されたことを確認したら、「小目標41:連携アプリケーションの定期起動の設定」はクリアです。

 

 


 

これで連携アプリケーションのセットアップの80%ほどが終わりました。あとは「共有フォルダの設定」が残っています。この設定がかなり厄介なものなので、項を改めて解説していきます。

 


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コメント

>連携アプリケーションは常時起動しているわけではなく2秒に一度の頻度で起動します。起動後、reqフォルダの中にファイルがなければすぐに終了します。

とありますが、すぐに終了していないような気がします。

連携アプリケーション導入手順書 を見ると、
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/download/docs/setup_renkei.pdf
>「起動要求が無視されました。インスタンスは既に実行中です」と表示される。

とある様に、私の環境でも同様のログが並びます。
PCが重い時など、2秒に一度カーソルがちらつくのが地味にストレスです。

タスクのトリガーを変更し、1時間起動維持にした所、解消されました。
2秒に一度のタスク起動ってなんか変な使い方な気がします。
私が知らないだけで普通の事なのかもしれませんが。

投稿: | 2023年3月24日 (金) 20時23分

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