« 2021年10月 | トップページ | 2021年12月 »

2021年11月の4件の記事

2021年11月27日 (土)

オンライン資格確認システムの導入方法(その13)

連携アプリケーションのセットアップの続きです。残っていた「共有フォルダの設定」をやっていきます。共有フォルダの設定は電子カルテと通信する手段ですので、オンライン資格確認端末PCだけのセットアップだけでなく、ネットワークの設定、電子カルテ側の設定など少々面倒な操作となります。順序よく説明していきますので、今まで通りワンステップずつ確実にこなしていってください。

全体の流れとしては

1、ネットワークの構成の確認
2、IPv4アドレスの確認と設定
3、共有フォルダの設定
4、電子カルテ側PCの設定
5、動作確認

という感じになります。

 


 

小目標42: ネットワークの構成を確認する

オンライン資格確認PCと電子カルテのPCが院内ネットワーク(院内LAN)でどのように接続されているは、共有フォルダの設定で重要な要素となります。接続方法は何通りもありますので、その全てを解説するのは不可能ですので、最も基本的な形式を解説していきます。この連載の最後の方でセキュリティの強化のためネットワークの構成を変更しますが、まずはこのもっとも基本的な構成で連携機能を確かめてから、実用的な構成へ変更していくことにします。

オンライン資格確認用PCと電子カルテのPCを同一サブネットに接続する

もう少し具体的にいうと、物理面では電子カルテのPCもオンライン資格確認端末と同じようにHGWまたはブロードバンドルータの直下に接続します。

「オンライン資格確認システムの導入方法(その3)」の「小目標4:オンライン資格確認端末をネットワークに接続する」で解説したのと同じで、直下というのは途中にルーターを設置してネットワークを分離していないという意味です。HGW・ブロードバンドルーターからハブまたはブリッジモードのルーター(無線LAN用のターミナル)を経由するのならOKです。同じ図を再掲しますが、この図のオンライン資格端末が接続可能なところに電子カルテのPCを接続します。

また電子カルテ側のコンピュータはIPアドレスが自動取得(DHCPによる自動割当が有効)になっていることを確認してください。

Untitled-24

確認

院内LANの接続状態を確認してHGW直下に電子カルテのPCが接続されていれば、「小目標42:ネットワークの構成を確認する」はクリアです。

 


 

小目標43: 電子カルテのPCのIPv4アドレスを確認する

オンライン資格確認端末に連携するコンピュータを決めてください。電子カルテによってはサーバーが指定されてたりいろんな条件があると思いますので、メーカーにお問い合わせください。

カルテメーカーの場合

カルテメーカーで、オンライン資格確認端末に連携させる端末は、サーバーでもクライアントでもどちらでもかまいません。WinでもMacでもどちらでもいいです。通常は受付に設置した端末を選びますが、セットアップの時は操作しやすい端末を選んでください。

接続するコンピュータが決まったら、そのPCのIPv4アドレスを確認します。

Winの場合

Windowsキー設定ネットワークとインターネットプロパティまたは接続プロパティの変更 で、

スクロールしてプロパティのところの「IPv4アドレス

または

コマンドプロンプトipconfig/allとタイプ

表示された「IPv4アドレス

Macの場合

Appleメニューシステム環境設定ネットワーク → 左のリストから接続済みのネットワークを選択 → 詳細ボタン →タブからTCP/IP で

IPv4アドレス

通常は「192.168.1.5」というようなアドレスが表示されるかと思います。このアドレスをメモしておきます。

確認

電子カルテ側のIPv4アドレスが確認できたら、「小目標43:電子カルテのPCのIPv4アドレスを確認する」はクリアです。

 


 

小目標44: オンライン資格確認端末のIPv4を設定する

オンライン資格確認端末のIPv4は「オンライン資格確認システムの導入方法(その6)」の「小目標18:オンライン資格確認端末のIP設定」で無効化してあります。これを再び有効化してIPv4での通信が可能な状態に戻します。

設定

1、スタートから設定を押します。

49

2、「ネットワークとインターネット」を押します。

51

3、「アダプターのオプションを変更する」を押します。

52

4、有効な(ネットワークに接続されている)アダプターを選択してダブルクリックして開きます。

56

5、「プロパティ」ボタンを押します。

57

6、「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」のチェックをいれます。

IPv4のほうもチェックをいれて有効化します。これでIPv4での通信がはじまります。

チェックをいれたらダブルクリックして開きます。

33

7、「次のIPアドレスを使う」を選択します。

IPv4は手動で設定します。IPv4を自動設定にするとDNSサーバーも自動になって有効化されることによりオンライン資格確認等システムへの通信が不安定になってしまうためです。詳しくはこの記事をご覧ください。「オンライン資格確認につながらない、安定しない時の対処法

IPアドレスには「小目標43:電子カルテのPCのIPv4アドレスを確認する」でメモしたIPアドレスの最初の3つの数字いれ。4番目は64より大きく254より小さい数字をいれます。

メモしたIPアドレスが「192.168.1. 5」であれば「192.168.1. 83」という感じです。このアドレスを後で使いますのでメモしておきましょう。

最初の3つの数字がサブネットというもので、これが同じもの同士が通信できます。4番目の数字がコンピュータごとの数字で、他のコンピュータや機器と違っていないといけません。他のコンピュータは通常は自動配布されるように設定されているはずです。自動配布の場合の数字は多くの場合、1〜32または1〜64です。それと重複しないようにそれより大きな数字を設定します。

IPアドレスをいれれば、サブネットマスクは「255.255.255.0」に自動的になります。最初の3つの数字がサブネットを表現しているという意味になります。変更の必要はありませんので確認だけしてください。

デフォルトゲートウェイは空欄のままです。

DNSサーバーのアドレスも必ず空欄のままにしてください。

ここ大事、デフォルトゲートウェイとDNSサーバーは空欄です。大事なことなので2度言います。

34

8、必ず「OK」ボタンで閉じる

これらの設定画面は必ず「OK」ボタンで閉じてください。

34-2 33-2

9、IPv4アドレスを確認する

下記の方法でIPv4アドレスを確認して、7で設定したアドレスであることを確認してください。

 

Windowsキー設定ネットワークとインターネットプロパティまたは接続プロパティの変更 で、

スクロールしてプロパティのところの「IPv4アドレス

または

コマンドプロンプトipconfig/allとタイプ

表示された「IPv4アドレス


確認

オンライン資格確認端末のIPv4を確認して設定したアドレスになったら、「小目標44:オンライン資格確認端末のIPv4を設定する」はクリアです。

 


 

小目標45: フォルダの共有設定をする(「face」フォルダ)

電子カルテと連携するには「C:¥OQS」フォルダの中の3つのフォルダ(face、req、res)を共有設定する必要があります。ファイルの共有設定の操作方法は3つとも同じですので、まずは1つだけ設定して動作確認をしたのちに他の2つのフォルダの共有設定をしましょう。

55

faceフォルダの共有方法は、マニュアル「医療機関等向けセットアップ手順書(資格確認端末編)1.17版」の「4 顔認証機器利用のための設定をする」の「フォルダの共有設定をします」(P.22〜24)の手順で行うのですが、少し説明が違いますので、このブログに従って行ってください。

この小目標で設定するのは「face」フォルダ。顔認証のすると資格確認情報ファイルがダウンロードされてくるフォルダです。このフォルダを共有設定して電子カルテ側から資格確認情報ファイルを取得できるようにします。


 

エクスプローラーで Windows(C:) → OQS と開いてください。

 


1、「C:¥OQS¥face」フォルダを右クリックして「プロパティ」を選びます。

 

この時、faceフォルダが反転されて確実に選択状態であることを確認してください。選択状態でないと一つ上のOQSフォルダのプロパティになってしまいます。

46_20211125221801

2、「共有」タブをクリック

 

フォルダ名が「face」であることを確認してください。「OQS」になっていたら、一度閉じてfaceを選択しなおしてから右クリック→プロパティです。

39_20211125222201

3、「共有...」ボタンを押す

47_20211125223001

4、「OqsComApp」を確認

このリストは、この「face」フォルダを共有することを許可されたアカウントのリストです。このリストに中に「OqsComApp」があって、アクセス許可レベルが「読み取り/書き込み」となってることを確認してください。

もっとセキュリティレベルを上げたい場合は、ここに別のアカウントを登録します。次の5〜7の手順で追加します。特にこだわりがなければ、OqsComAppでアクセスするので、8まで飛ばしてください。

41_20211125223301


5、他のユーザーを追加する(必要なければ飛ばしてください)

事前に、OqsComAppアカウントを作った時と同じ手順で別のアカウントを作成してください。あるいは、このPCを最初にセットアップした時の仮のアカウントでもかまいません。

ここを押すと、アカウントのリストが表示されますので、追加したアカウントを選択します。

*このリストに表示される「新しいユーザーの作成..」を選んでユーザーを追加してもOKです。

42_20211125225101

6、追加ボタンを押す(必要なければ飛ばしてください)

追加ボタンを押すと下のリストに追加されます。

43_20211125225401

7、アクセス許可レベルを変更(必要なければ飛ばしてください)

アクセス許可レベルの「読み取り」というところをクリックして、「読み取り/書き込み」を選びます。

44_20211125225801


8、「共有」をクリック

41-2

9、ネットワークアクセス画面が開く

フォルダアイコンのfaceの下に表示された¥¥で始まる「¥¥xxxxxxxx¥face」というのがネットワークパスです。これをメモしておきます。このネットワークパスは一種のアドレスで、これで電子カルテからこの共有フォルダを指定してアクセスすることになります。

ちなみにxxxxxxxx部分は、オンライン資格確認用端末のコンピュータ名(PC名)です。

メモしたら「終了」をクリック

45

10、プロパティ画面を閉じる

必ず「閉じる」ボタンを押して閉じてください。

これで共有設定は終わりです。

 

ネットワークパスを確認してください。「¥¥xxxxxxxx¥oqs」になっていたら、誤って一つ上のファルだを共有設定してしまっています。この記事の最後に追記した方法で、oqsフォルダの共有を止めてうえで「小目標45:フォルダの共有設定をする」をやり直してください。

48_20211125233401

確認

共有設定ができてネットワークパスを確認したら、「小目標45:フォルダの共有設定をする(「face」フォルダ)」はクリアです。

 


 

小目標46: 電子カルテ側の設定をする(win編)

今度は、電子カルテ側のPCの設定ですが、WinとMacで違いますので、別々に説明します。まずはWindows編。

Windowsの場合、ファイル共有を開始すると、そのコンピュータは他のコンピュータのエクスプローラーのネットワークのカテゴリーのところに表示されます。ところが共有される側がWindows10 IoT Enterprise 2019 LTSCの場合、通常のwin10からだと表示されない場合が多いようです。

22

そこで、ネットワークパスを直接指定してファイル共有をします。


1、タスクバー の検索ボックスにネットワークパスをいれる

タスクバー の検索ボックスに「小目標45」のステップ9でメモしたネットワークパスを入れていきます。「¥¥xxxxxxxx」といれていくと¥の前までのコンピュータ名を全部いれると右側にコンピュータのアイコンが表示されます。

1_20211126160201

2、タスクバー の検索ボックスにネットワークパスをいれる2

¥¥xxxxxxxx¥face」までいれるとアイコンは消えますが、「開く」コマンドが表示されるので、「開く」をクリックします。

3_20211126161601

3、IPv4アドレスでもOK

ネットワークパスは、コンピュータ名+フォルダ名ですが、コンピュータ名の代わりに直接IPv4アドレスを指定してもOKです。「小目標44: オンライン資格確認端末のIPv4を設定する」のステップ7で設定したIPv4アドレス(例の場合は192.168.1.83)を指定して「¥¥192.168.1.83¥face」と検索ボックスにいれても同じフォルダが表示されます。

16_20211126164701

4、アカウントとパスワードをいれる

共有フォルダにアクセスするアカウントを指定する画面が開きます。指定するのは「小目標45:フォルダの共有設定をする」で共有を許可したアカウントです。特に追加していないのであればオンライン資格確認端末で使ってる「OqsComApp」アカウントを指定します。

アカウント名(上の欄)には「OqsComApp」、パスワードはOqsComAppのパスワードです。オンライン資格確認端末起動時に入れるパスワードですね。

セキュリティを強化するため、接続用のアカウントを追加した場合は、そのアカウントのアカウント名とパスワードを設定します。

「資格情報を記憶する」はチェックしておきます。

「OK」を押します。

6

4、フォルダが開く

アカウントの設定が正しければフォルダが表示されます。

 

アカウント確認のダイアログが表示されない等で、faceフォルダを開けない場合は、faceの共有設定に問題があります。多くの場合はOQSフォルダを共有設定してしまっています。この記事の最後に追記した方法で、oqsフォルダの共有を止めてうえで「小目標45:フォルダの共有設定をする」をやり直してください。

7_20211126171301

5、ショートカットを作る

次回以降、簡単に開けるようにショートカットを作っておきます。

アドレスバーのアイコンをデスクトップにドラッグ&ドロップするとショートカットができます。

一旦エクスプローラーを閉じて、作成したショートカットでフォルダが開くことを確認してください。

20_20211126171901

確認

電子カルテ側から共有フォルダを開けたら、「小目標46:電子カルテ側の設定をする(win編)」はクリアです。

 


 

小目標47: 電子カルテ側の設定をする(mac編)

MacからWinの共有フォルダにアクセスするにはsambaプロトコルを使って接続します。


1、「サーバーへ接続」を使う

Finderを開き、「移動」メニューから「サーバーへ接続...」を選びます。

20211126-183235

2、ネットワークパスを入力

サーバーへ接続ダイアログが開きます。ネットワークパスを入力するのですが、少々変更が必要です。

最初に「smb://」といれます。sambプロトコルで接続するという意味です。

続けてコンピュータ名(PC名)、winのネットワークパス(¥¥xxxxxxxx¥face)の「¥¥」と「¥」で挟まれた部分です。

最後にフォルダ名の「/face

合わせて「smb://xxxxxxxx/face」と入れます。

「接続」ボタンを押します。

20211126-183523

3、IPv4アドレスを指定してもOKです。

winでもそうでしたが、IPv4アドレスを直接指定してもOKです。

「小目標44: オンライン資格確認端末のIPv4を設定する」のステップ7で設定したIPv4アドレス(例の場合は192.168.1.83)を指定して「smb://192.168.1.83/face」といれても同じフォルダが表示されます。

「接続」ボタンを押します。

20211126-183321

4、接続確認ダイアログが表示される。

「接続」を選んでください。

このダイアログは表示されない場合もあります。

20211126-183332

5、アカウントとパスワードをいれる

共有フォルダにアクセスするアカウントを指定する画面が開きます。

「ユーザーの種類」が「登録ユーザ」であることを確認してください。

指定するのは「小目標45:フォルダの共有設定をする」で共有を許可したアカウントです。特に追加していないのであればオンライン資格確認端末で使ってる「OqsComApp」アカウントを指定します。

「名前」には「OqsComApp」、「パスワード」はOqsComAppのパスワードです。オンライン資格確認端末起動時に入れるパスワードですね。

セキュリティを強化するため、接続用のアカウントを追加した場合は、そのアカウントを設定します。

「このパスワードをキーチェーンに保存」はチェックしておきます。

「接続」を押します。

20211126-183357

6、faceフォルダが表示されます。

 

アカウント確認のダイアログが表示されない等で、faceフォルダを開けない場合は、faceの共有設定に問題があります。多くの場合はOQSフォルダを共有設定してしまっています。この記事の最後に追記した方法で、oqsフォルダの共有を止めてうえで「小目標45:フォルダの共有設定をする」をやり直してください。

20211126-183416

7、エイリアスを作る。

次回以降、簡単に開けるようにエイリアスを作ります。

faceフォルダをデスクトップにoptionキー+⌘キー+ドラッグしてエイリアスを作ります。

ちなみにMacでは、共有ファルダはボリューム(ドライブ)としてマウントされます。ちょうど外部ハードディスクを接続したのと同じ扱いとなります。

20211126-184105

確認

電子カルテ側から共有フォルダを開けたら、「小目標47:電子カルテ側の設定をする(mac編)」はクリアです。

 


 

小目標48: ファイル共有の動作確認

設定できたので、ちゃんと動作するか確認しましょう。

動作確認は共有フォルダを介してファイルのやりとりができるかどうかを確認します、現在は「face」フォルダを設定していますので、実際に顔認証をしてみるのが早いでしょう

マイナンバーカードで顔認証をしてください。

オンライン資格確認端末用PCの「C:¥OQS¥face」フォルダにファイル(OQSsiquc01res_face_133xxxxxxx.xml)ができたと思います。

電子カルテ側のPCで共有フォルダをみてください。同じファイルが表示されていればOKです。ファイルをメモ帳やテキストエディット、IE、Chromeなどで開いて中身が見れることも確認してください。

20211127-172922_20211127174301
20211127-173031

次に電子カルテ側のPCでこのファイルを削除してください。オンライン資格確認端末用PCでも、そのファイルが消えていれば動作は問題ありません。

20211127-173107
56_20211127174801

念のため、電子カルテ側のPCで、このフォルダに適当なファイルを入れて、オンライン資格確認端末用PCでそのファイルを取得、削除ができれば完璧です。


確認

共有フォルダを介してファイルのやりとりができたら、「小目標48:ファイル共有の動作確認」はクリアです。

 


 

小目標49: 「req」、「res」フォルダの共有設定をする

残りの2つのフォルダ(「req」、「res」フォルダ)の共有設定も全く同じ手順です。「小目標45: フォルダの共有設定をする(「face」フォルダ)」からの操作を「req」、「res」フォルダに対しても行ってください。「face」を「req」「res」に読み替えて操作してください。

動作確認では、適当なファイルを使ってやりとりを確認してください。

確認

「req」、「res」フォルダの共有設定をして動作確認が完了したら、「小目標49:「req」、「res」フォルダの共有設定をする」はクリアです。

 


 

追記: 「oqs」フォルダ等の共有を止める

「face」フォルダが他のコンピュータから共有できない場合、多くの場合、「face」フォルダの共有設定をするつもりで、一つ上のOQSフォルダを共有設定してしまっています。

「face」フォルダを右クリックして「共有」タブを押して、ネットワークパスを確認してください。ここが「¥¥xxxxxxxx¥oqs¥face」と途中にoqsが含まれていた場合、OQSフォルダを共有設定してしまっています。この場合、次の操作をしてOQSフォルダの共有設定を止めた上で、「小目標45:フォルダの共有設定をする」をやり直してください。

66_20211212163101

エクスプローラーで Windows(C:)  を開いてください。


1、「C:¥OQS」フォルダを右クリックして「プロパティ」を選びます。

67

2、「共有」タブを押して、「詳細な共有...」ボタンを押します。

 

OQSフォルダの設定画面であることを確認してください。違うフォルダなら一旦閉じて、OQSフォルダを右クリックしてください。

62_20211212164301

3、「このフォルダを共有する」のチェックを外します。外したら「OK」ボタンで閉じます。

63_20211212164801

4、共有されていないことを確認します。

 

以上で「OQS」フォルダの共有を止めました。「小目標45:フォルダの共有設定をする」をやり直してください。

65_20211212165201

 


 

共有設定が完了しました。あとは電子カルテ自体の設定をすれば連携アプリケーションを使うことができるようになります。

 


歯科電子カルテシステム・カルテメーカー は利用料月額16,500円(税込)
MacとWinの両方で利用可能な電子カルテです。介護保険にも対応してます。

カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。

 

| | コメント (1)

2021年11月13日 (土)

オンライン資格確認システムの導入方法(その12)

 

目標4: 連携アプリケーションを導入し、レセコン・電子カルテとの連携をできるようにする。

連携アプリケーションは、オンライン資格確認等システムと電子カルテ(レセコン)の間で情報の受け渡しをするアプリケーションです。

オンライン資格確認等システムを人が使うには、「オンライン資格確認システムの導入方法(その9)」で説明したようにEdgeを使ったwebアプリケーションを使います。

人の代わりにコンピュータがオンライン資格確認等システムを利用するには「webAPI」という仕組みを使います。イメージ的にはコンピュータからオンライン資格確認等システムのサーバーにコマンドを送ると、それに対応した処理が行われ、結果が戻るような感じです。コンピュータからの利用を考えて、応用が効いて効率がよくプログラムしやすいように設計されています。「webAPI」を直接使う方法は、自由度が高いので独自のセキュリティを組み合わせたり、システム全体のパフォーマンスを最大限に引き出したりと特に大規模病院などでは歓迎される方法ですが、開発するには高度な技術が必要になりますので簡単に利用できるものではありません。

この方式だけでは普及の足枷になるのは明白ですので、多少の効率の悪さには目をつぶり、より簡単にオンライン資格確認等システムをコンピュータ(電子カルテ、レセコン)から利用できるようにしたのが、この連携アプリケーションです。効率が悪いとはいえ、認証処理(ログイン)から資格確認結果が戻るまで3秒程度、認証済み(ログイン済み)であれば1秒以内に結果が得られますので診療所レベルであれば全く問題ありません。webAPIを直接叩けばmS単位のレスポンスも得られるのでしょうけど、普通に使うのであればオーバースペックでしょう。

電子カルテ側からみた利用方法はwebAPIを直接使う方法に比較して大幅に簡略化されています。電子カルテから要求ファイルを資格確認端末に送ると連携アプリケーションが通信を開始し、結果ファイルを電子カルテに渡すというシンプルな方法です。もう少し詳しくいうと次のような手順になります。

1、電子カルテから、資格確認の問い合わせ内容を記録したXML形式ファイルをオンライン資格確認端末PCの指定フォルダ(通常は「C:¥OQS¥req」フォルダ)に書き込む。
2、連携アプリケーションは、reqフォルダにファイルがあるのを見つけると、そのファイルを取り込んで処理をはじめます。
3、連携アプリケーションはログインしていなければ認証処理(ログイン)を行います。
4、連携アプリケーションはファイルのXMLの文書をJSONオブジェクトに変換してオンライン資格確認等システムに資格確認の要求を出します。
5、連携アプリケーションはサーバーからの回答をまち、回答があれば結果を解析。エラーがなければ結果のJSONオブジェクトをXML文書形式に変換して結果ファイルを作成し、結果フォルダ(通常は「C:¥OQS¥res」フォルダ)に書き出します。
6、電子カルテはresフォルダを監視し、結果ファイルが書き込まれたら、それを取り込み処理をします。

このように簡略化されます。レスポンスも問題ないし優秀なアプリケーションです。

通常、電子カルテとオンライン資格確認端末は別のコンピュータです。電子カルテからオンライン資格確認端末へファイルを送る(あるいはその逆)には「ファイル共有(共有フォルダ)」機能を使います。また、オンライン資格確認等システムのログインするにはアカウント情報が必要になりますが、この情報は「資格情報マネージャー」という機能で設定します。この2つ設定が連携アプリケーションのセットアップでは特に注意すポイントとなります。

では前置きはこれくらいにしてセットアップをはじめましょう。

連携アプリケーションのセットアップにはマニュアル「連携アプリケーション導入手順書_1.08版」(以下「連携マニュアル」と略)に従って行います。

 


 

小目標39: 連携アプリケーションをインストールする

最初にアプリケーションのインストールです。連携マニュアルの「3.1 連携アプリケーションインストーラーの実行」(P.5〜9)に従って操作します。

ここでの注意ポイントは

ポイント OQSComApp.msiをダブルクリックする。

使うファイルはダウンロードした「(本番環境接続版)OQSComApp_1.0.13.zip」(バージョンは違うかもしれません)です。

ダウンロードしたzipファイルをダブルクリックして開くと「Setup」フォルダと「install.bat」ファイルが見えます。

18_20211113171301

で、「Setup」フォルダをダブルクリックして開くと

19

目的の「OQSComApp.msi」が見えてきます。この「OQSComApp.msi」をダブルクリックします。あとは連携マニュアルに従ってウィザードの指示通りに操作していきます。

確認

「OQSComApp セットアップ ウィザードが完了しました。」の表示が出て「完了」ボタンを押したら、「小目標39:連携アプリケーションをインストールする」はクリアです。

 


 

小目標40: 資格情報マネージャーの設定

連携マニュアルの流れでは次に「共有フォルダの設定」ですが、それは飛ばして次の「資格情報マネージャーの設定」を先にやります。資格情報マネージャーではオンライン資格確認等システムにログインするためのユーザーID、パスワード、医療機関番号を設定します。

連携アプリケーションには、「オンライン資格確認システムの導入方法(その9)」の「小目標30:連携アプリ用アカウントを追加する」で作成したユーザーIDが「R0」ではじまる「連携アプリ用アカウント」を設定します。

連携マニュアルの「4.1 資格情報マネージャーの設定」(P.14〜18)従って操作するのですが、ベンダー向けなので分かりづらい記述になってます。そのため以下に操作方法を書きましたのでこれに従って行ってください。

連携マニュアルには細々と色々書いてありますが、必要な資格情報は次の2つです。

1、OQS_LOGIN_KEY(連携アプリ用アカウントの ID、パスワード)
2、OQS_MEDICAL_INSTITUTION_CODE(医療機関コード)

連携マニュアルの「4 環境設定」の「4.1 資格情報マネージャーの設定」以外の項目は初期状態のままで問題ありませんので、設定するのはこの2つの資格情報だけとなります。


1、タスクバーの虫眼鏡アイコンをクリックし、検索ボックスに「資格」と入力すると、[資格情報マネージャー ] が表示されますので、それをクリックします。

20_20211113182101

2、「Windows 資格情報」をクリックし、「汎用資格情報の追加」をクリックします。

27

3、資格情報(連携アプリ用アカウント)をいれます。

  • インターネットまたはネットワークのアドレス」には、「OQS_LOGIN_KEY」と入力
  • ユーザ名」には、「R0」ではじまる「連携アプリ用アカウント」のユーザーIDを入力
  • パスワードには」には、「連携アプリ用アカウント」のパスワードを入力

「OK」ボタンを押して保存します。

28

4、もう一度、同じように「汎用資格情報の追加」をクリックします。

27_20211113184201

5、資格情報(医療機関コード)をいれます。

  • インターネットまたはネットワークのアドレス」には、「OQS_MEDICAL_INSTITUTION_CODE」と入力
  • ユーザ名」には、「OQS_Admin」と入力
  • パスワードには」には、10桁の医療機関コード(通常の7桁のコードの前に「県番号」と「3」を加えた番号 例 1331234567 )を入力

「OK」ボタンを押して保存します。

29

6、2つの資格が登録されたことを確認します。

30

確認

2つの資格が登録されたことを確認したら、「小目標40:資格情報マネージャーの設定」はクリアです。

 


 

小目標41: 連携アプリケーションの定期起動の設定

連携アプリケーションは常時起動しているわけではなく2秒に一度の頻度で起動します。起動後、reqフォルダの中にファイルがなければすぐに終了します。アイドリング状態の時に無用なリソースを使わないようになっているんですね。で、この2秒に一度、連携アプリケーションを起動させるためのタスク(OQS_exec_comappstart.xml)をタスクスケジューラに登録します。

また、連携アプリケーション以外に、resフォルダ、reqフォルダに不要なファイルが残ってそれから情報漏洩が発生しないように定期的にファイルを削除するアプリケーションもインストールされているのですが、そのアプリケーションを定期的に起動させるための2つのタスク(OQS_exec_comappdelfile_running.xml、OQS_exec_comappdelfile_periodic.xml)もタスクスケジューラに登録します。

タスクの登録は、連携マニュアルの「5. 連携アプリケーションの定期起動の設定」(P.32〜37)に従って操作します。

連携マニュアルの34ページの「③ インポートするタスクを選択し、[開く]ボタンをクリックする。」の説明画像のパスがおかしいので、正しいスクショを貼っておきます。WIndows(C: )→ Program Files→ OQS→ OQSComApp→ tools と開いていったところにあります。

32

他はマニュアル通りの操作で登録できますので、よく読んで操作してください。

正しくインポートできれば、このように3つのタスクがライブラリーに表示されます。

31

確認

3つのタスクが登録されたことを確認したら、「小目標41:連携アプリケーションの定期起動の設定」はクリアです。

 

 


 

これで連携アプリケーションのセットアップの80%ほどが終わりました。あとは「共有フォルダの設定」が残っています。この設定がかなり厄介なものなので、項を改めて解説していきます。

 


歯科電子カルテシステム・カルテメーカー は利用料月額16,500円(税込)
MacとWinの両方で利用可能な電子カルテです。介護保険にも対応してます。

カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。

 

| | コメント (1)

2021年11月12日 (金)

オンライン資格確認システムの導入方法(その11)

目標2: 顔認証端末を導入し、マイナンバーカードでの資格確認ができるようにする。

オンライン資格確認等システムへの接続が確認できたので、次は顔認証端末の設置とセットアップです。このブログではパナソニックの顔認証端末を例に解説していきます。他のメーカーに関しては申し訳ないですがそれぞれのメーカーにお問い合わせください。なお顔認証端末のサポートはそれぞれのメーカーがおこなっておりますので疑問や不具合等はメーカーへサポートをご依頼ください。

顔認証端末のセットアップの前に、オンライン資格確認端末PCの次の2つの設定を変更する必要があります。まずは最初にそれを済ませてしまいましょう。なお、この2つの設定は顔認証端末のメーカーに関わらずどのメーカーのものでも必ず行ってください。

1、スリープ設定、高速スタートアップの設定の無効化(小目標34)
2、時刻設定の変更(小目標35)

 


 

小目標34: スリープ設定、高速スタートアップの設定の無効化をする

オンライン資格確認端末は診療時間中は常に待ち受け状態でないといけません。そのためPCがスリープ状態になって動作できない状態になるのは好ましくありません。ですのでスリープしないように設定を変更します。

また、今のWindowsは起動の時間を短くするため、様々な設定を終了時に保存した状態を戻すだけの処理に済ませています。これからセットアップする顔認証アプリや連携アプリはシステムの深い部分を変更していたりするため、この高速スタートアップモードではそれらの設定の変更がPCのシステムに反映されないことがあります。このため、この高速スタートアップモードを無効化し、時間がかかっても確実に設定の変更がシステムの反映されるようにします。

設定の操作は、マニュアル「医療機関等向けセットアップ手順書(資格確認端末編)1.17版」(以下セットアップ手順書と略)に従って操作していきます。

セットアップ手順書の「3 Windowsの設定を変更する(配信アプリケーション準備等)」の「スリープ設定と高速スタートアップを無効にします」(P.14〜15)に従って操作をしてください。

ここでの注意点は2つ

画面もスリープしないにする

これはマニュアルとちょっと違う部分です。P14の④のステップで、「スリープ」だけを「なし」に設定していますが、その上の「画面」も「ディスプレイの電源の電源を切る」を「なし」にします。

これはパナソニックの顔人認証端末の画面がこのPCのマルチディスプレイとして登録されるため、PCの画面がスリープしてしまうと顔認証の画面も消えてしまうからです。顔認証端末のセットアップ時にこの設定をするのですが、この時点でまとめて設定してしまいます。

18

高速スタートアップを無効化する

大事なことなので注意しておきます。これをしっかり行っていないとこれから行う顔認証や連携アプリのセットアップで機器を認識しないとか原因不明のエラーが表示されたりしますので、確実に行ってください。

35

再起動する

面倒でもこの設定が済んだら再起動してください。起動に少し時間がかかることを確認してください。

確認

再起動に時間がかかること、時間が経過してもスリープしないことを確認したら、「小目標34:スリープ設定、高速スタートアップの設定の無効化をする」はクリアです。

 


 

小目標35: 時刻設定の変更

コンピュータの時計は定期的に「インターネット時刻サーバー」というサーバーに正しい時刻を問い合わせることによって時刻を補正しています。しかし、オンライン資格確認等システムの場合は端末がインターネットに接続されていませんので通常使っている時刻サーバーを利用できません。そこでオンライン資格確認等システムが独自に閉域IP-VPN内で運営する「インターネット時刻サーバー」に問い合わせるように設定を変更します。

セットアップ手順書の「3 Windowsの設定を変更する(配信アプリケーション準備等)」の「時刻の設定を変更します」(P.15〜16)に従って操作をしてください。

特に注意する点はないですが、つながらない場合は時刻サーバーのURLアドレス(ntp.base.oqs-pdl.org)のスペルミス等を確認してみてください。また、エラーがでても少し待ってから再度「すぐに更新」ボタンを押すと正常に繋がる場合も多いので、何度かトライしてみてください。

確認

セットアップ手順書のとおりに時計の同期が確認できたら、「小目標35: 時刻設定の変更」はクリアです。

 


 

小目標36: 顔認証端末の準備

いよいよ顔認証のセットアップです。まずは梱包を解きましょう。中に紙のマニュアル「取扱説明書(準備編)」が入っていますので、これに従ってUSBケーブルの接続、電源コードの接続、通電の確認をしていきます。顔認証アプリケーションのセットアップをするのは、顔認証端末をオンライン資格確認用端末PCに接続し、電源もつないで通電状態にしておく必要があります。顔認証端末の設置準備はそれほど難しくないのですが、ここで大きな落とし穴があります。

USBケーブルはUSB 3.xのコネクタの接続する

マニュアルには明記していないのですが、パナソニックの顔認証端末は必ずUSB 3.xに接続しないと動作しません。

私もテストの時はエプソンの前面のUSBに何気に差し込んで正しくセットアップと動作確認ができたのですが、いざ本番用に受付に設置する時に適当に背面のUSBに接続したところ動作しなくなって原因がわからずとても困りました。

エプソンのPCには背面にUSB2とUSB3の2種類のコネクタがあったということも知りませんでしたし顔認証がUSB3オンリーということも知らなかったので原因の特定に手間取ってしまいました。わかれば簡単なことなのですが、準備の際にはよく確かめて接続してください。ちなみにエプソンのPCではUSB3には「SS」と刻印されています。

確認

電源に接続されていることとUSBケーブルがちゃんとUSB3に接続されていることを確認したら、「小目標36:顔認証端末の準備」はクリアです。

 


 

追加小目標: 顔認証アカウントの確認

次の「小目標37:顔認証アプリのセットアップ」でつまづく方がたくさんいらっしゃるのですが、どれも原因は顔認証アカウントのユーザIDとパスワードを正しくいれていないからです。そこで、この時点で一つクエストを追加しました。

顔認証アカウントでログインできることを確認する

デスクトップの「オンライン資格確認等システム」のアイコンをダブルクリックしてオンライン資格確認等システムのサイトを開きます。「システムの利用を始める」ボタンを押して、「オンライン資格確認システムの導入方法(その9)」の「小目標31:顔認証用アカウントを追加する」で作成した「F0」で始まる顔認証用アカウントのユーザーIDとパスワードでログインします。

ログインできれば問題ありません。ログアウトしてオンライン資格確認等システムは終了してしまいましょう。

ログインできない場合は、ユーザIDとパスワードを確認してください。どうしてもログインできない場合は、そのアカウントの利用は諦めて、「オンライン資格確認システムの導入方法(その9)」の「小目標31:顔認証用アカウントを追加する」に従って新しい顔認証用のアカウントを作ってください。その上で、その新しい顔認証用アカウントでログインできることを確実に確認してください。

確認

顔認証用アカウントでログインできれば、「追加小目標: 顔認証アカウントの確認」はクリアです。

 


 

小目標37: 顔認証アプリのセットアップ

付属のDVD-ROMをセットしエクスプローラーで開くと、pdfのマニュアル「取扱説明書・本体編」がありますので、これをダブルクリックして開いてご一読してください。インストール方法は、このマニュアル通りです。8ページの「本機のセットアップ」からの操作を行ってください。

全体の流れは次のような感じです。

1、DVD-ROMの中の「Install.exe」をダブルクリックしてインストール(10分程度かかります)
2、ディスプレイのサイズ、位置、表示モードの設定
3、ログインID、パスワードの設定と接続確認
4、OSの設定確認(スクリーンセイバー停止、画面スリープの停止、USB節電モードの解除)
5、アプリケーションソフトの個別設定(医院名の設定)
6、再起動と動作確認

いくつか注意するポイントがあります。

ディスプレイ設定画面が早く開く

マニュアルだと確認のダイアログに答えてから表示されるように記載されていますが、1のインストールが済むとダイアログの表示より先にディスプレイ設定画面が開きますのでびっくりしないでください。開いたあとでゆっくりダイアログのOKボタンを押して片付けてください。その後マニュアルに従ってディスプレイの設定を進めてください。

デバイスIDの欄に顔認証用アカウントのユーザーIDをいれる

ログインID登録画面ではユーザIDを入れる欄の名前が「デバイスID」という全然関係ないタイトルなので、何をいれるのか迷ってしまいますが、ここに「オンライン資格確認システムの導入方法(その9)」の「小目標31:顔認証用アカウントを追加する」で作成した「F0」で始まる顔認証用アカウントのユーザーIDをいれます。

パスワードには、顔認証用アカウントのパスワードです。

「登録」ボタンを押すとオンライン資格確認等システムにログインします。ちょっと待つと「登録に成功しました。」というダイアログが表示されます。

このダイアログではなくエラーの表示が出た場合は、デバイスIDかパスワードが違います。慎重に入力するか「小目標31:顔認証用アカウントを追加する」のときに保存したメモ帳などからコピペしてみてください。

エラーへの対応

この時に表示されるエラーコードごとの対応方法です。パナソニックのQ&Aなどでは「資格確認端末顔認証機器セットアップ情報初期化ツール」の利用が指示されていますが、このツール自体がまともに動作しないので次の方法で対処してください

905:資格確認端末の予期せぬ設定処理エラー

このエラーは、顔認証アカウントのユーザIDかパスワードが違っているので発生してます。OKボタンを押してダイアログを閉じて、再度、正しいユーザIDとパスワードを入力してください。このエラーがレポートされる限り、どちらかが間違ってますので、どうしてもダメならもう一度顔認証のアカウントの確認するか、新しいアカウントを作成してください。

906:資格確認端末の予期せぬ設定処理エラー

アカウント情報を記録している「ReaderInfo.ini」ファイルが存在している状態でこのログインID登録処理を行うと発生します。正しいアカウント情報を入れてもダメです。顔認証用アプリケーションをアンインストールし、再度インストールしても「ReaderInfo.ini」ファイルが消えないので同じエラーが繰り返し発生します。このエラーはパナソニックの端末のバグといえるものなのですが最新バージョンでも改善されていません。次のように「ReaderInfo.ini」ファイルを削除すると正しく動作するようになります。

エクスプローラーでWindows(C:)を表示「ProgramData」フォルダを確認
「ProgramData」フォルダは不可視フォルダなので、表示されていない場合はエクスプローラーの「表示」メニューを開いて「隠しファイル」と「ファイル名拡張子」のチェックをつけてください。
36
「ProgramData」フォルダが表示されたら、「ProgramData」フォルダ → 「OQS-Auth」フォルダと開くと「ReaderInfo.ini」ファイルが表示されますので(拡張子の違う同名のファイルがある場合がありますので、必ず拡張子を表示させて正しいファイルを確認してください。)そのファイルを削除します。
37

削除したら、ユーザIDとパスワードをいれてアカウントの登録を行ってください。

再起動すると管理画面が表示される

再起動すると顔認証アプリケーションが自動的に起動します。左上に「顔認証付きカードリーダーアプリ管理画面」が表示されて中央部分に「起動中」と表示されます。数分待っていると「待機中」と変わります。「待機中」になれば正常に動作しています。

最初の起動時には「異常」と表示される場合もあります。この場合、右下の「終了」ボタンを押して管理画面を閉じた後で、デスクトップにある「顔認証付きカードリーダーアプリ」のショートカットをダブルクリックして、アプリケーションを再起動してみてください。

3のログインID、パスワードの設定で登録に成功していれば、よほどのことが無い限り「待機中」になるかと思います。

顔認証端末の画面の確認

顔認証端末の画面はマイナンバーカード受付の初期画面が表示されています。医院名が正しいことを確認しましょう。間違っている場合はマニュアル「4.4 アプリケーションソフトの個別設定」に従い「メッセージ編集アプリ」を使って医院名を修正してください。

確認

再起動後、「顔認証付きカードリーダーアプリ管理画面」が表示されて「待機中」になり、顔認証端末の画面表示で医院名が正しければ、「小目標37:顔認証アプリのセットアップ」はクリアです。

 


 

小目標38: マイナンバーカードで資格確認をしてみる

やっとマイナンバーカードの出番です。顔認証端末の画面の指示に従ってマイナンバーカードを置いて、顔認証をしてみましょう。画面の指示に従って操作していけば大丈夫です。

うまくいきましたか?

健康保険証利用の申込(初回登録)で失敗する

パナソニックの顔認証のアプリはDVD-ROMからインストールする都合上、一番最初のバージョンがインストールされます。このバージョンにはいくつかバグがありやや動作が不安定です。代表的なものは「健康保険証利用の申込(初回登録)」で異常終了してしまうものです。

まだ一度も保険証として使ったことのないマイナンバーカードの場合、次のような表示が出て、健康保険証利用の申込処理(初回登録)がはじまります。

20211111-232852

この処理はかなり重くて処理が終わるまで、15〜30秒程度かかります。パナソニックの初期バージョンではこの時間を待てなくて、通信異常と判断して「異常時(重故障)」と表示してアプリが停止してしまうことがあります。この状態になると回復の手段がなく、顔認証アプリケーションの再起動が必要になります。

こうなった場合は、管理画面の「終了」ボタンを押して終了し、あらためて「顔認証付きカードリーダーアプリ」のショートカットをダブルクリックして、アプリケーションを再起動してしてください。

顔認証端末は異常終了しても、通常は、保険証化の処理は正常に終了してますので、今度は初回登録画面は表示されないで資格確認の処理がはじまります。

後ほど、更新処理アプリケーションをインストールすることで自動的に顔認証アプリケーションが最新版にアップデートされます。最新版ではこのバグは修正されていますので、アプリケーションが止まることはなくなっています。

資格確認情報をみてみる

顔認証端末で正しく資格確認処理が終了すると、資格情報がダウンロードされてきます。これを確認してみましょう。

資格情報は「C:¥OQS¥face」フォルダにダウンロードされます。

「OQSsiquc01res_face_xxxxxxxxxxxxxxxxxxx_20211111121903.xml」みたいなファイルがダウンロードされてきます。

12

これを右クリックしてインターネットエクスプローラーで開いてみましょう。

13_20211112005601

するとこんな感じの内容が表示されます。保険者番号、記号番号、名前、住所、生年月日など資格情報が読み取れると思います。 14_20211112005401

確認

マイナンバーカードで資格確認をし、ダウンロードされた内容を確認できたら、「小目標38:マイナンバーカードで資格確認をしてみる」はクリアです。

そして「目標2:顔認証端末を導入し、マイナンバーカードでの資格確認ができるようにする。」もクリアです!

 


 

顔認証端末のセットアップが完了しました。次回は連携アプリケーションのセットアップになります。

 


歯科電子カルテシステム・カルテメーカー は利用料月額16,500円(税込)
MacとWinの両方で利用可能な電子カルテです。介護保険にも対応してます。

カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。

 

| | コメント (0)

2021年11月 3日 (水)

オンライン資格確認システムの導入方法(その10)

前回、アカウントの追加をしましたが、最後大事なことが抜けてました。オンライン資格確認等システムが正しく動作するかの検証が抜けてました。とはいってもアカウントの作成が正しくできれば正しく機能はしているのですが。念のため機能のチェックをしておきましょう。

 

小目標32: オンライン資格確認等システムを使ってみる

オンライン資格確認等システムで実際に資格確認ができるかどうかを検証してみましょう。



デスクトップの「オンライン資格確認等システム」のショートカットをダブルクリックしてオンライン資格確認等システムに接続します。

証明書を選択し初期画面にし、「システムの利用を始める」のボタンを押し、「一般アカウント(一般利用者)」でログインします。

ログインするとこのようなメニュー画面になります。

保険証/処方箋で確認」ボタンを押します。

7_20211103200801


確認する保険証の情報入力画面になります。保険証で検証するために必要な情報は次の4つです。

 1)保険者番号
 2)記号(あれば)
 3)番号
 4)生年月日

「資格確認日」も必須項目ですが、これはデフォルトで今日の日付が入りますので意識する必要はないでしょう。記号番号は全角半角の揺れ等は類推するので、券面のまま入力してください。枝番は必須ではありません。

限度額適用認定証のチェックは必ず本人の同意を得てからチェックしてください。不用意にチェックして情報を引き出すと個人情報保護法に抵触し処罰される可能性があります。限度額認定証から収入等が類推できますので興味本位で勝手に情報を見ないようにスタッフに徹底してください。だれがいつどのような情報にアクセスしたかのかはオン資格のサーバーにログが残り証拠となりますので取り扱いには十分に注意しましょう。

8


「検索」ボタンを押して、保険資格が存在し有効であればこのような画面が表示されます。

入力が間違っていた場合は、通常は「検索条件に入力した情報が存在しません」というエラーダイアログが表示されます。その他、保険の状態により、資格が無効であるとか、他の保険に移行しているとかなどの現状に応じた結果が表示されます。

10

確認

保険証により資格確認ができれば、「小目標32:オンライン資格確認等システムを使ってみる」はクリアです。

そして最初に掲げた目標「目標1:オンライン資格確認端末単体でwebアプリを動作させて資格確認を行えるようにする」もクリアです!!

 


 

小目標33: おまけ Edgeのお節介をやめさせる

先ほどの資格確認の操作で検索条件を入力して「検索」ボタンを押すとこのようなポッポアップが表示されます。

9_20211103220901

これはEdgeの住所などの入力を支援する自動入力のための確認画面なのですが、検索の度に表示されてかなりうざいです。ということでこの機能を無効化しましょう。



Edgeの右上の「...」から「設定」を開きます。

左のメニューから「プロファイル」。そして「個人情報」を押します。

14_20211103221401


「ユーザー設定情報を保存して入力する」のスイッチを左にしてオフにします。

これで、このポップアップは表示されなくなります。

15_20211103221801


オフになった状態です。

16

確認

オンライン資格確認を試してみてポップアップが表示されなければ、「小目標33: おまけ Edgeのお節介をやめさせる」はクリアです。

 


 

これでオンライン資格確認等システムに接続して正しく動作することが確認できました。ここまでの過程がしっかりできていれば、顔認証、連携アプリの導入はそれほど難しくありません。がんばって進めていきましょう!

 


歯科電子カルテシステム・カルテメーカー は利用料月額16,500円(税込)
MacとWinの両方で利用可能な電子カルテです。介護保険にも対応してます。

カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。

 

| | コメント (0)

« 2021年10月 | トップページ | 2021年12月 »