これから本格的にオンライン資格確認用パソコンのセットアップを始めます。基本的にはマニュアル「医療機関等向けセットアップ手順書(資格確認端末編)」に従って進めるのですが、このマニュアルで解説されている手順はどちらかというとベンダーさん向けに書かれていて、効率的にインストールをする方法を解説しています。このため、一気にインストールした時に正常に動作するといいのですが、動作しなかった時、何が原因で動作しないかがわかりづらくなります。なれているベンダーさんであればエラーの状況からここがおかしいというのがわかるのですが、これから初めてインストールしようという方では原因の特定は難しく、結局初期化してやり直しということにもなりかねません。
そういう罠にかからないよう、このマニュアルをベースにしつつ確実に動作することを主眼に作業を進めていきます。
医療機関等向けセットアップ手順書(資格確認端末編)医療機関等向けポータルサイト
*リンクが切れてる場合は、以下のページからマニュアルを参照してください。
端末の設定や操作について知りたい方はこちら医療機関等向けポータルサイト
*以下の記事は「医療機関等向けセットアップ手順書(資格確認端末編)1.17版」を元に書いています。文中のページ表示はバージョンの変更で変わってる可能性があります。章の名前等で確認してください。
特別目標: 電子証明書発行申請
と、その前に大事なことが抜けてました。「電子証明書発行申請」です。その2の「オンライン資格確認利用開始・変更申請」が済んでいることが前提になります。
申請する電子証明書は、これからセットアップする端末が間違いなくその医療機関の端末であることを証明するための証明書となります。また、その証明書を発行した認証局が正しい機関であることを証明するルート証明書の自己署名証明書も含んでいます。
申請は、医療機関等ポータルサイトから行います
医療機関等ポータルサイト
開いてすぐのページの「すでにアカウントをお持ちのかたはログイン」ボタンを押して、ログインすると申請のページになりますので、「電子証明書発行申請」のリンクを踏んでください。
ページを読み進んで一番下の「はい 電子証明書の申請画面に進む」ボタンを押します。
表示されたフォームの全てを入力します。不明な点は「電子証明書の発行申請等の手引き」ボタンを押して確認してください。わかりづらいのは「端末名称等」でしょうけど、名前の付け方にルールがあるわけではなく医院の中で使う端末が区分できればいいので「資格確認端末001」などとしておけばよいでしょう。病院等で複数の端末を導入した場合、どの端末からの操作なのか等を識別するのが目的だと思いますので、歯科診療所では名前さえついていれば問題ありません。
正しく申請の受付が完了すると件名が【電子証明書 申請情報受付通知】の受付完了メールが認証局(oper@cybertrust.co.jp)から送られてきます。
続けて5営業日以内に簡易書留で「発行通知書」が医院に送付されてきます。この書類には電子証明書のダウンロードに必要な情報が記載されていますので大切に保管してください。
なお、ダウンロードには期限があります。申請後180日以内にダウンロードしないと証明書が失効してしまいますので、すぐにセットアップをしないのであれば申請は後で行うようにしましょう。
オンライン資格確認の電子証明書とオンライン請求の電子証明書
2021年4月から、この両者の電子証明書は共通化されました。同じ端末でオンライン資格確認とオンライン請求を行う場合、オンライン資格確認で取得した電子証明書だけでオンライン請求も行うことができます。この場合、オンライン請求の電子証明書の有効期限が切れてもオンライン請求のための電子証明書の再度の発行申請は必要ありません。
しかし、別の端末で行う場合は従来通りにそれぞれに別の電子証明書が必要になります。
実際に同じ端末で確認と請求を行ってますが、特に問題なく動作します。同時使用も問題ありませんのでオンライン資格確認の運用が安定したらオンライン請求もオンライン資格確認端末でできるようにセットアップするといいでしょう。その解説も予定してます。
確認
「発行通知書」が届いたら、「特別目標:電子証明書発行申請」はクリアです。
小目標6: ユーザーアカウントの追加
オンライン資格確認用PCの最初のセットアップで適当な名前でアカウントを作成しました。でも、これからのインストールや設定作業ではアカウント名や権限が重要になってきます。このため統一された名前「OqsComApp」のアカウントを作ります。
作成方法は「医療機関等向けセットアップ手順書(資格確認端末編)」(以下セットアップ手順書と略)の「操作1 Windows10にユーザアカウントを追加する」(P.2〜P.4)に従って行います。
この過程で大事なことは3つ
- アカウント名は正確に「OqsComApp」とする。
- アカウントは必ずローカルアカウント
- 管理者権限を与える
1:アカウント名は大文字と小文字を区別しますので正確にいれてください。キャメルケースですので単語の先頭が大文字です。数字は含まれていませので「o」は「オー」です。
2:アカウントは必ずローカルアカウントにします。ですのでセットアップ手順書のステップ5の「このユーザーはどのようにサインインしますか?」の表示の時に必ず「このユーザーのサインイン情報がありません 」をクリックし、ステップ6の「アカウントの作成」では「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックしてください。
3:アカウントの作成だけ満足してしまいそうになりますが、セットアップ手順書の「アカウントの種類を変更する」に従ってアカウントの種類を「管理者」に変更するのを忘れないようにしてください。これを忘れると以後の操作が管理者権限がないために実行できなくなります。
アカウント切り替え後の動作
セットアップ手順書には「作成したアカウントでログインし直す」をしたあとの挙動が書いてないですが、切り替えるとアカウントの作成と設定の処理が始まります。しばらくすると「デバイスのプライバシーの設定の選択」が表示されますので、一番最初の設定と同じように、すべての項目を「いいえ(オフ)」に切り替えておきます。余分な通信をさせないためです。その後、あたらしいアカウントのデスクトップ画面が表示されます。
必ず再起動
セットアップ手順書では、作成後スタートアップメニューからアカウントにサインインできるかどうかの確認で章が終わっていますが、以後の操作のため、新しいデスクトップが表示されたあとで、必ず「再起動」して「OqsComApp」でサインインしてください。
再起動後のスタート画面で、左下に最初に作ったアカウントと、OqsComAppのアカウントが表示されますので、OqsComAppのアカウントをクリックして選択後にパスワードをいれてサインインです。
サインイン後、もう一度、アカウントを開いてアカウント名が「OqsComApp」であることと、「ローカルアカウント」であること、権限が「管理者」であることを確認してください。なお、この画面で表示されるアカウント名はすべて大文字になってますが問題ありません。
確認
新しいアカウント「OqsComApp」を追加し、再起動して「OqsComApp」でサインインして、アカウントでアカウント名が「OqsComApp」であることと、「ローカルアカウント」であること、権限が「管理者」であることを確認できたら、「小目標6:ユーザーアカウントの追加」はクリアです。
小目標7: デスクトップの準備
新しいアカウントのデスクトップも最初のセットアップ時と同じように何もありません。(Microsoft Edgeがインストール済みならスタートにピン留めされています。)なので、最低限必要なアプリをスタートとタスクバーにピン留めしておきましょう。お勧めは最初のセットアップ時と同じです。
windowsアクセサリ から
Internet Explorer
メモ帳
windows システムツール から
エクスプローラー(タスクバーへ)
コントロールパネル
コマンドプロンプト
*Microsoft Edgeがスタート等になければ、それも追加
ディスプレイの設定変更
新しいアカウントではディスプレイの拡大率が150%等になっていてデスクトップが全体に狭い状態になっている場合があります。これを100%に直します。セットアップ手順書でもこの拡大率を設定し直す操作があとの方で指示されており、その理由は画面レイアウトが全部表示されないためと説明されていますが、実はこれから行っていく作業の中で、狭いデスクトップだとエラーを起こしたり指定された作業が行ないことがありますので、この時点で直しておきます。また解像度も1366x768 以上にしてください。(推奨は1920x1080です。)
ディスプレイの設定変更はセットアップ手順書のP.21の「ディスプレイ設定を変更します」のところで解説されています。
<簡単に説明>
デスクトップで右クリック→ディスプレイ設定をクリック
「拡大縮小とレイアウト」を100% に
画面が変更になり右下に確認ダイアログでるので、確認
設定を閉じる
確認
このようなデスクトップになれば、「小目標7:デスクトップの準備」はクリアです。
小目標8: Microsoft Edgeを設定する
セットアップ手順書の「操作2 ブラウザ(Microsoft Edge)を設定する」(P.5)に従って、Microsoft Edgeを規定のブラウザにします。
<簡単に説明>
Microsoft Edge起動
設定画面を開く
左のメニューから「既定のブラウザー」をクリック
「既定に設定する」をクリック
Microsoft Edgeを閉じる
Microsoft Edgeを再起動して確認
なお、Microsoft Edgeの設定の画面は、ウインドウの右上すみのところの「・・・」のところをクリックして表示されたメニューの中の「設定」をクリックして表示させます。
オンライン請求をオンライン資格確認端末上で行う予定の方で、Microsoft Edgeを規定のブラウザにするとオンライン請求で使うIEが使えなくなってしまうのではと心配されるかたがいらっしゃいますが、まったく問題ありません。規定のブラウザにしても他のブラウザをいつでも利用ですます。
確認
セットアップ手順書のようにMicrosoft Edgeが規定のブラウザになっていれば、「小目標8:Microsoft Edgeを設定する」はクリアです。
小目標9: アプリとマニュアルをダウンロードする
今、マニュアル等は他のPCでみてると思いますが、以後の設定でマニュアル上のリンクを使う場合がありますので、必要なマニュアルをこの時点でオンライン資格確認用PCにダウンロードしておきます。後になると一般のサイトに接続できなくなりますので、必ずこの時点でダウンロードしておいてください。インストールするアプリケーションもこの時点で全部ダウンロードしておきます。
マニュアル類は、この記事の最初にあるリンク「端末の設定や操作について知りたい方はこちら」のページから、アプリケーション類は、ベンダーサイトか、「医療機関等ONS」サイトからダウンロードしてください。顔認証端末に必要なアプリケーションは顔認証端末メーカーのダウンロードページから行ってください。(パナソニックは付属の光ディスクからなので必要ありません。)
カルテメーカーのユーザー様へ
サポートMLでご案内しているダウンロードページからアプリとマニュアルをダウンロードしてください。掲載されているものはとりあえず全部ダウンロードしてください。(旧バージョンは必要ありません。)
必要なアプリケーション
- OQSComAppCopyJava.bat
- (本番環境接続版)Installer_1.0.9.zip(OQSFaceApp.msi)
- (本番環境接続版)OQSComApp_1.0.13.zip
- OQSDistroApp_v1.0.15.zip
- CCybertrustManagedPKIClient.zip
必要なマニュアル
- オンライン資格確認等システム接続ガイド(IP-VPN接続方式)1.5版.pdf
- オンライン請求ネットワーク関連システム共通認証局ユーザーマニュアル(Windows_Chrome)v1.3.1.pdf
- 01_01_医療機関等向けセットアップ手順書(資格確認端末編)_1.17版.pdf
- 01_01_医療機関等向けセットアップ手順書_別紙トラブルシューティング_1.03版.pd
- 01_02_顔認証DLL定義説明書_1.06版.pdf
- 01_03_資格確認端末環境切替え手順書_1.16版.pdf
- 02_01_連携アプリケーション導入手順書_1.08版.pdf
- 02_02_連携アプリケーション操作手順書_1.01版.pdf
- 02_04_顔認証DLL、連携アプリケーションアンインストール手順書_1.03版.pdf
- 02_05_顔認証DLL上書きインストール手順書_1.00版.pdf
- 02_06_ネットワーク接続確認ツール導入・操作手順書_1.01版.pdf
- 連携アプリケーション再セットアップ手順書_1.02版.pdf
- 05_01_医療機関等向けセットアップ手順書(医療情報閲覧用端末編)_1.07版.pdf
- 05_02_医療機関等向けセットアップ手順書(資格確認端末にて医療情報閲覧用端末の画面を利用する場合)_1.01版.pdf
*表示されているバージョンは2021年9月のものです。
ダウンロードしたマニュアルとアプリケーションは、デスクトップ等に「マニュアル」「アプリ」等のフォルダを作りそこにまとめておいておくと良いでしょう。
確認
ダウンロードが済み、わかりやすいように保存できたら「小目標9:アプリとマニュアルをダウンロードする」はクリアです。
小目標10: pdfリーダーをMicrosoft Edgeに設定する
マニュアルなどのpdf書類のリーダーをMicrosoft Edgeにします。通常はAdobe Readerですが、リンクを踏む際にEdgeのほうが問題が少ないので切り替えておきます。
<操作方法>
マニュアル等のpdf書類を右クリックして、プログラムから開く→Microsoft Edgeをクリック
「既定に設定」ボタンをクリック
この表示になれば完了
確認
pdf書類をダブルクリックしてMicrosoft Edgeで閲覧できれば、「小目標10:pdfリーダーをMicrosoft Edgeに設定する」はクリアです。
追加目標: オンライン資格確認等システムユーザ設定情報のダウンロード
「オンライン資格確認等システムユーザ設定情報(通知書)」はオンライン資格確認等システムに接続するための設定情報が記載された書類です。大事な「ユーザーID」と「パスワード」が記載されています。「オンライン資格確認システムの導入方法(その2)」の「オンライン資格確認利用開始・変更申請」を済ませて数日すると医療機関等ポータルサイトからダウンロード可能となります。これも忘れずに今のうちにダウンロードして保存しておきます。
医療機関等ポータルサイト
開いてすぐのページのログインボタンを押して、ログインしてください。
この画面の「通知書をダウンロードする」を押すと通知書がダウンロードされます。
ファイル名が10桁の医療機関番号のzip形式ファイル(例1331234567.zip)がダウンロードされます。ダブルクリックして開くと
接_オンライン資格確認等システムユーザ設定情報.pdf
本_オンライン資格確認等システムユーザ設定情報.pdf
という2つのpdf書類が展開されます。「接_」は接続試験環境というテストに使うもので、「本_」は本番環境用のものです。このブログでは本番環境でのインストールをしていますので、「本_オンライン資格確認等システムユーザ設定情報.pdf」の記載内容を使ってオンライン資格確認等システムに接続していきます。
確認
医療機関等ポータルサイトから「本_オンライン資格確認等システムユーザ設定情報.pdf」をダウンロードして内容を確認したら、「小目標23:オンライン資格確認等システムユーザ設定情報のダウンロード」はクリアです。
当目標は2021/10/15に加筆しました。
以上、本格的なインストールのはじまりです。各小目標で動作確認をして次のステップに進みましょう。
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MacとWinの両方で利用可能な電子カルテです。介護保険にも対応してます。
カルテメーカーの詳細はカルテメーカー・ホームページまで。
カルテメーカーを実際に動かしてみたいときは評価版をダウンロードできます。