保険証の登録・管理方法
保険証の登録はレセコンの基本ですが、実務ではいろんな事があって混乱しやすいところでもあります。そのあたりを整理して解説したいと思います。
カルテメーカーでは月の途中で保険証が変更になった時に自動的に2枚のレセプトが発行できるように保険証の履歴管理をしています。
頭書きの保険証の下の4つのボタンの中の「履歴」ボタンを押して登録済みの保険証を確認できます。
この患者さんの場合、1枚だけ登録されています。
保険証の管理は基本的にこの4つのボタンを使って行います。
ケース1 保険証の登録内容に間違いがあった時
例えば記号番号に間違いをみつけた場合などは「修正」ボタンを押します。ボタンを押すと保険証修正ダイアログが開きます。
番号を修正します。修正後は右上の「OK」ボタンを押して登録します。
ケース2 保険証が変わった場合
国保から社保に変わって保険証が変わったなどの場合は、新規の保険証として登録します。この場合は「新規」のボタンを押します。
ボタンを押すと新規保険証ダイアログが開きます。
新しい保険証の情報を入力していきます。
保険証が変更になった時に特に注意するのが「更新日」です。
カルテメーカーはこの「更新日」を元に保険証の変更を計算します。新規で登録をはじめた場合、最初の値は当日の日付になっています。でも、患者さんが保険証を持参する時は多くの場合その当日じゃなくて、変更した後だったり、逆に変更の前だったりします。
ですので、保険証の交付日や有効日を確認して変更になった日付を確認してその日付を入力してください。
特に前期高齢者から後期高齢者になった場合、誕生日を境に切り替わりますので診療期間中に変更になる場合、十分に注意して日付を確認してください。
新しい保険証を登録して履歴を表示すると
こんな感じに2枚の保険証が登録されたことが確認できます。
この場合、2016/7/15日から社保に切り替わります。
カルテで確認してみると、
7/5日では国保ですが、
7/19日では社保になっています。
この状態で7月分のレセプトを発行すると
このように2枚のレセプトが自動的に発行されます。
こちらは国保分のプレビューで5日の分が請求されています。
こちらは社保分のプレビューで、19日の分が請求されています。このように更新日を境に2枚のレセプトが自動的に発行されます。
ケース3 間違って新規に登録してしまった場合
上記の例で、社保の保険証が間違いで切り替わっていなかった時などです。
この場合、まず「履歴」ボタンを押して履歴を表示します。
間違って登録した7/15日の行をダブルクリックすると保険証の修正画面になります。
右上のゴミ箱アイコンのボタンが削除ボタンですのでこれを押すと、
確認ダイアログがでるので削除ボタンを押して削除します。
保険証履歴を確認すると
削除されています。
レセプトを集計すると国保のままのレセプトが集計されます。
なお、保険証の登録、修正、削除をした場合に一部負担金が変更になる場合がありますが、その場合、一部負担金の額は自動的に再計算されます。
変更になった一部負担金の差額は次回の会計時に「調整額」として計上されますので、必ず清算するようにしましょう。
ケース4 保険者はそのままで公費の保険証が追加された場合。
この場合も新規の保険証を登録します。ケース2と同じように「新規」ボタンを押して新規保険証ダイアログが表示されたら、
保険者に変更が無いので、「旧保険証をコピー」を押してください。これで古い保険証の登録内容がそのままコピーされます。
そして新たに適用となった公費の負担者番号や受給者番号、それ以外の必要な項目を入力します。
「更新日」にも注意してください。多くの公費は月初めに変更になりますが、場合によっては月の途中からという場合もあります。
登録すると履歴は
このように公費分がある新規の保険証が登録されています。
カルテをみると
このように7月からは公費になって一部負担金の額が変わっています。
レセプトを発行すると
公費になって、プレビューでも
公費になっています。
この保険者が変わらないというパターンは、このように公費が追加される場合だけでなく、
- 逆に乳幼児の公費のように公費がなくなる場合
- 前期高齢者になる場合
- 保険者の再編等で記号番号が変更になる場合
- 高額療養費の所得区分が変更になる場合
- 災害時の一部負担金の免除等が変更になる場合
- 本人、家族の区分が変更になる場合
など、基本的に間違いの訂正以外でなんらかの変更が保険証にある場合は、必ず新規の保険証で登録するようにします。
以上、保険証の管理方法でした。この登録方法さえ間違わなければあとの一部負担金の計算やレセプトの作成はカルテメーカーが自動的に処理しますのでお任せ下さい。
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