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2016年6月15日 (水)

再SCを繰り返すパターンは止めたほうがいいかなぁと思う5つの理由

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歯周初期治療の算定方法の必勝パターン

で再SC、再SRPの算定方法を解説しましたが、その過程で改めてガイドラインやら留意事項を読込んでみて気付いたことがあります。それは

再SCを繰り返すのって無理があるかも。

ってこと。その理由をまとめてみました。

 

理由1  保険のスケーリングはスケーリングじゃない

保険上のスケーリングは

スケーリングとは、歯面に付着しているプラーク、歯石、その他の沈着物をスケーラ ー等で機械的に除去することをいう。

というもので、保険上はスケーリングというよりPMTC(ポケット内部への言及がないので、PMTCですらないかも)に近い概念であることがわかります。少なくともP病名をつけた以上、ポケット内部の縁下歯石を除去する必要があるわけで、その処置は保険上は「SRP」です。ですので歯根面に対してアプローチするのであれば自信を持って「SRP」を請求するべきだと思います。

 

 

理由2  点数が低い

保険上の定義が上記のようなため点数が低くく、仕事の対価に見合っていません。全顎を一度におこなった場合、256点、再SCなら半分の128点、SRPなら4本分しかなりません。また、毎回毎回フルブロックを再SCするというのは疑義をはさみ易く、そういう請求は避けたいということでより点数は低くなります。

 

 

理由3  算定がブロックごと

補綴と同時におこなう時に問題になるのですが、一般的に補綴処置に入る前に歯周の状態は治癒、あるいは安定の状態になっていないといけませんので、補綴が行われたブロックに再SCをするのは躊躇します。そうなると再SCが算定できる部分がより少なくなります。

 

 

理由4 SRPは繰り返しが明確に認められているがSCは微妙

基金が公開している審査基準(審査情報提供事例)において、

24 歯周基本治療

取扱い

原則として、一連の歯周病治療終了後、一時的に病状が安定した状態にある患者に対し、再度のSRPを繰り返し一定間隔で行うことを認める。

と、SRPの繰り返しは明確に認められています。一方、SCではそういう記述はなく、繰り返しがOKという根拠が乏しいです。

 

 

理由5 再SCをするなら初診を起こした方がよい

SCは上記のように縁上の歯石の除去程度の処置ですから、これで状態が安定状態に落ち着くのであれば、安定というより治癒の状態といえます。

処置の内容的にもPに対するというよりGのような病名に対して行われるもので初診が起こせない慢性的な疾患とは考え難いです。

補綴処置等が続いている場合は別ですが、一連の処置が終わってSPTのような状態になった時、高頻度で再SCを繰り返すのはかなり無理があります。

ではということで、数ヶ月の間隔で再SCを繰り返すなら、むしろ初診を起こした方が無理がありません。

 

 

まとめ

このようにP病名を付けておいてSCだけの繰り返しはしない方が無理がないと思います。P病名が付いたなら、部分的でもSRPのステージに進んでSRPの繰り返しのパターンにしたほうが良いでしょう。

補綴処置を急ぐためにSCだけで終わりにしたいという都合も臨床の場面では良くありますが、この場合でも根治等の治療の合間を縫ってSRPやPCurの処置を組み込んでいくことが大事かと思います。

 

 

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