外来後発医薬品使用体制加算をとってますか?
今回の改定の特徴は、追加された施設基準の多さではないでしょうか。プラス改定とはいえ、それを算定するには施設基準というスキルを獲得しなくちゃいけない。なんか出来の悪いRPGをプレーしているような気にもなってきます。
そんななか、「か強診」のような派手に点数が高くなるけど異様に高いスキルの施設基準の中で、ひっそりと追加された「外来後発医薬品使用体制加算」ってご存知ですか?
簡単にいうと、後発医薬品をたくさん処方している医療機関はちょっとだけ点数を高くしますよっていうものです。
施設基準の主要な部分はこんな感じです。
(1) 診療所であって、薬剤部門又は薬剤師が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定する体制が整備されていること。
(2) 当該保険医療機関において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量(以下「規格単位数量」という。)に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が、外来後発医薬品使用体制加算1にあっては70%以上、外来後発医薬品使用体制加算2にあっては60%以上70%未満であること。
(3) 当該保険医療機関において調剤した薬剤((4)に掲げる医薬品を除く。)の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が50%以上であること。
処方した薬のうち7割以上が後発医薬品であれば、「外来後発医薬品使用体制加算1」の4点を、6割から7割であれば、「外来後発医薬品使用体制加算2」の3点を毎回の処方に加点できます。たかが4点されど4点で年間の処方数を考えれば結構な加算となります。
今はジェネリックの種類も多く供給も安定しているので選択に困るってこともなくなっていますし、昨年度の実績でこの基準をクリアしている医療機関も多いんじゃないでしょうか。それなら申請しないと損です。
申請の添付書類はこちらです。
過去3ヶ月分の後発医薬品の処方実績の記入が求められています。
カットオフ値というのが耳慣れない言葉ですが、全医薬品の中で後発医薬品が存在する薬剤の割合のことです。要は、ジェネリックが存在しないような真新しい薬を半分以上使ってる場合はダメってことですね。
実績の6割というのは、後発医薬品が存在する薬剤の中で、実際に後発医薬品を使った割合ですので歯科なら抗生剤をジェネリックに変えるだけでほぼクリアできるはずです。
ただ、この実績をカルテから拾おうとするとかなり面倒なことになります。
でも安心してください。履いてます(笑)じゃない、カルテメーカーなら簡単です。
一発で表示してくれます。とはいっても実はユーザーの先生から要望がありまして一晩で作った機能です。
ファイルメニュー→総合情報。リストから「外来医薬品」を選ぶだけでこのような集計結果を表示します。
内容を添付書類に転帰すればOKです。
実績はこれで大丈夫でしょうが、気になるのが2の欄の「後発医薬品の使用を促進するための体制の整備」の項目でしょう。これは施設基準の(1)に対応するものですが、この欄の記入以外に。次のような説明が追加されています。
[記載上の注意]
1 後発医薬品の採用について検討を行う委員会等の名称、目的、構成員の職種・氏名等、検討する内容、開催回数等を記載した概要を添付すること。
これを読むと「委員会?!、構成員?!大病院じゃないといけないじゃない?」なんて思ってしまいハードルが一気に上がった感じがしますよね。
というわけで厚生局に電話して聞いてみました。
結論から言いますとハードル低いです。
定期的に開催するミーティングのようなものが開催されていればOKということですが、書類上はそれなりに整備されていることが必要です。
まず前提として診療所内に薬剤管理部門があって、そこで薬品を管理していること。
委員会の名称は注意にもあるように「外来後発医薬品の管理、採用についての検討委員会」なんて感じでよいそうです。構成員に薬剤師が入ってる必要はないそうですので、例えば
委員長 歯科医師 矢嶋研一
委員 薬剤管理責任者 田中花子
というような感じでよさそうです。
開催回数は実績みたいですが今後の予定でも良さそうです。第1月曜日に開催とか毎週火曜日に開催という感じですね。
情報を入手する手順は、製薬会社のホームページ、書籍、論文等からの情報収集、プロパーからの紹介等が書いてあればよいそうです。
この施設基準は今年はじまったばかりで基準の基準のようなものはできていないようですので、申請後、厚生局のほうから不足部分等があれば電話等で問合せが入るそうです。ちゃんと委員会を開きますよってことがわかるように受け応えできれば、問題無くクリアできるでょう。
ジェネリックを処方している先生、頑張って申請してみてください。
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