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2015年12月13日 (日)

カルテメーカーは止まらない

長年言い続けてきた機能がやっと先日のアップデートで実装できました。
タイトルの「止まらないシステム」の機能です。
かっこいい言い方だと、アベイラビリティの高いフォールトトレランスなシステムの実現です。(あってるかなぁw)

カルテメーカーはクライアント/サーバーの形式で運用されています。
でも少し違います。本来のクライアント/サーバーのネットワークでは、サーバーにだけデータがありクライアントにはデータはなく、表示する度にサーバーからデータを転送してきます。
カルテメーカーの場合、サーバーだけでなくクライアントも同じデータを持っています。クライアントはサーバーのデータとの差分をダウンロードし、ローカルのデータに追加しながら動作をしています。このため、基本的にはスタンドアロンで動作しているのと同じです。
でも、以前のカルテメーカーはクライアントのデータの増大を防ぐためになるべくダウンロード量を減らすようにと動作し、また、データの差分はサーバーからクライアントへの一方通行でしたので、常にクライアントのデータはサーバーより少なく、完全なコピーではありませんでした。

今回のバージョンアップでは、この部分を根本的に改めました。
クライアントは常にサーバーから最新のデータを受け取って、可能な限りサーバーのデータの完全コピーを維持するようにしました。
さらに、サーバーのデータが不足していた場合、クライアントからサーバーへデータをアップロードするようにしました。
こうすることでネットワークに繋がってる全てのコンピュータがサーバーのデータベースのレプリカを持つようになります。(レプリケーション)

こうなるとクライアント/サーバーというよりハイブリッドP2Pと言われる運用形態にカルテメーカーは変貌し、冗長性があり堅牢なシステムへと変化しました。
これにより、一つのコンピュータが障害を受けても、他のコンピュータにあるデータで運用を続けることもできるし、仮にネットワーク自体の障害で通信ができなくなっても個々のコンピュータでバラバラに運用しあとで統合することも可能になりました。

具体的な事例でみていきましょう

サーバーのデータが破損して起動できない。

普通のシステムでは、サーバーのデータをバックアップからコピーするか修復機能を使って復旧する必要があります。復旧するまでの期間はシステム全体は止まってしまいます。

サーバーのコンピュータが壊れて動かない

これはもっと最悪のケースです。この場合、コンピュータの修理か代替機との交換をしなくてはいけませんし、サーバーの再構築はバックアップからの復旧以上に時間を取られます。

このような事態の時、新しいカルテメーカーでは、残ったクライアントのどれかでメニューから「サーバーへ変更」と実行するだけで即座に新しいサーバーとして業務を続行できます。
他のクライアントは、接続先をこの新しいサーバーに接続先を変更するだけです。仮に新しいサーバーに不足分があった場合は、接続したクライアントから不足分が補われます。
障害が発生したサーバーはその間に復旧を行う事ができます。復旧後もとりあえずはクライアントとして新しいサーバーに接続すれば、まったくノンストップで業務を続行できます。

ネットワーク(LAN)が死んだ

通常であればシステム全体が停止してしまいます。サーバー単独で入力業務をできるようなシステムの場合、なんとかサーバー機だけで入力等はできますが、電子カルテを展開している場合ならカルテの表示すらできなくなってしまいます。

新しいカルテメーカーでは、このような場合でもそれぞれのコンピュータをオフラインで起動し、カルテをみることができます。
入力に関しても、制限はあるもののクライアントでも入力できます。制限というのは他のコンピュータで同時に同じ患者さんのカルテの修正や入力をしないということです。
入力されたデータはネットワークが復旧後、サーバーにクライアントの接続した時点でサーバーにアップロードされて統合されます。

このように新しいカルテメーカーは、可能な限り止まらないシステムを提供できるようになりました。でもスタンドアロンではこの機能を活かせないので、できればネットワークでの運用をしてくださいね。

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