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2015年10月 5日 (月)

SOAPと基礎データと時間軸

POMR(問題志向型診療録)のSOAP記録(経過記録)は一般的に

  • S 主観的な事項
  • O 客観的な事項
  • A 考察
  • P 計画
と言われています。

Sは患者さんが語る内容です。
「昨日の夜にひどく痛んだ。」「朝から歯ぐきが腫れている。」などですね。これらは患者さんの言葉という共通点がありますが、もう一つ大事な共通点があります。

それは「過去」に起きた出来事だということです。

Oは検査結果などですが、Sを過去のことと捉えるとOは「現在」の状況を記録したものとなります。

そしてA考察は、S、Oから導き出される術者の予測であるから「未来」の記録です。

SOAPの記載に迷った時は、この時間軸という切り口でSOAPを書いてみるといいかもしれません。

  • S 過去
  • O 現在
  • A 未来

もう一つ、POSの解説書でもあまり書いてないことなのですが、SOAP記載と基礎データとの類似性です。

「基礎データ」とは、「主訴」「現病歴」「現症」などですが、SOAPと並べてみるとその対応がわかります。

  • S ←→ 主訴・現病歴・既往歴
  • O ←→ 現症
  • A ←→ 考察
  • P ←→ 初期計画

そして、同様に「基礎データ」も「過去」「現在」「未来」という切り口で捉えることができます。

このように両者は構造としては似ているのですが、決定的に違う点があります。
「SOAP経過記録」は「プロブレム」ごとの記録ですが、「基礎データ」はそれらを包括したもの、あるいは「プロブレム」にしばられない総合的な情報ということです。

ですので「基礎データ」を記録する場合は、主訴に直接関係することだけでなく、できるだけ広く情報を収集し、記録することが大切です。

POMRを書いたり、読んだりする場合は、この時間軸という視点も意識すると良いかと思います。

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