SOAPと基礎データと時間軸
POMR(問題志向型診療録)のSOAP記録(経過記録)は一般的に
- S 主観的な事項
- O 客観的な事項
- A 考察
- P 計画
Sは患者さんが語る内容です。
「昨日の夜にひどく痛んだ。」「朝から歯ぐきが腫れている。」などですね。これらは患者さんの言葉という共通点がありますが、もう一つ大事な共通点があります。
それは「過去」に起きた出来事だということです。
Oは検査結果などですが、Sを過去のことと捉えるとOは「現在」の状況を記録したものとなります。
そしてA考察は、S、Oから導き出される術者の予測であるから「未来」の記録です。
SOAPの記載に迷った時は、この時間軸という切り口でSOAPを書いてみるといいかもしれません。
- S 過去
- O 現在
- A 未来
もう一つ、POSの解説書でもあまり書いてないことなのですが、SOAP記載と基礎データとの類似性です。
「基礎データ」とは、「主訴」「現病歴」「現症」などですが、SOAPと並べてみるとその対応がわかります。
- S ←→ 主訴・現病歴・既往歴
- O ←→ 現症
- A ←→ 考察
- P ←→ 初期計画
そして、同様に「基礎データ」も「過去」「現在」「未来」という切り口で捉えることができます。
このように両者は構造としては似ているのですが、決定的に違う点があります。
「SOAP経過記録」は「プロブレム」ごとの記録ですが、「基礎データ」はそれらを包括したもの、あるいは「プロブレム」にしばられない総合的な情報ということです。
ですので「基礎データ」を記録する場合は、主訴に直接関係することだけでなく、できるだけ広く情報を収集し、記録することが大切です。
POMRを書いたり、読んだりする場合は、この時間軸という視点も意識すると良いかと思います。
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